常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

tier 復習

 Social Justice, Human Rights, and the Media の授業では、Final Group Project が始まり、初日である昨日は複数のグループによるプレゼンテーションが行われました。
 本日取り上げる単語はtierです。この単語はhuman trafficking をトピックとしたグループのプレゼンの中で出てきました。彼らの説明によるとhuman trafficking への取り組み度合いはTier1,Tier2などといった形で格付けされるとのことで、New Oxford American Dictionaryで同単語は、”a row or level of a structure typically one of a series of rows placed one above the other and successively receding or diminishing in size”や、 “a level or grade within the hierarchy of an organization or system”などと定義づけられておりました。
 参考程度に、実際にプレゼンで使用された生徒完全自主制作のホームページのURLを載せておきます。

https://esecrest18.wixsite.com/jomc222

 ちなみに、tierは自動車製造の流れになどにおいても同じ使われ方がなされるようです。お恥ずかしながら、初耳でした。(WREN@Nebraska)

hodge-podge 復習

前回に引き続き、UG先生から教わった表現を拾います。

それがhodge-podge /ˈhɒdʒ pɒdʒ / です。どのような意味なのでしょうか。

ジーニアス英和辞典』第4版(大修館)には「(米略式)ごたまぜ, 寄せ集め」とありました。LDOCEは “a lot of things mixed up together in no order” と定義しており、イギリス英語ではhotch-potchを表現され、「肉と野菜のシチュー, …の寄せ集め」とあります。(ジーニアス英和辞典)

語源は、上記にある「様々な野菜や肉が入ったシチュー」という意味から「ごたまぜ」へと派生したと思われます。(amphibian)

余談になりますが、日本語にもこのような表現があります。それが「ちゃんぽん」です。これは皆さんもご存知である、野菜や肉などが入ったラーメンのこと。Wikipediaには「異なるものを混ぜること」の語源として、鉦(東アジアの体鳴楽器)の「ちゃん」の音と鼓(和楽器の一種)の「ぽん」の音をつなげた造語とありました。(amphibian)

hodgepodge 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

freeloader 復習

メモの中にあった単語を紹介します。freeloader /frílòʊdɚ/ です。初めにfreeとloaderに分けて考えましたが、ぴたっと当てはまる日本語が浮かばなかったので調べてみました。以下辞書の定義です。

Oxford Dictionary of English (2th): “《informal》a person who takes advantage of others’ generosity without giving in return”

Collins Advanced Learner’s Dictionary (8th): “If you refer to someone as a freeloader, you disapprove of them because they take advantage of other people’s kindness, for example by accepting food or accommodation from them, without giving anything in return”

ジーニアス英和辞典』第5版(大修館):「⦅略式⦆居そうろう、たかり屋」

居候というとただ単にお世話してもらっている人、といったイメージで必ずしも悪い印象が沸く表現ではないように感じますが、英語の定義を見てみると「他人のやさしさに付け込んで」というマイナスなイメージが強いことが読み取れます。

ちなみに「居候する、たかる」は動詞形のfreeloadを使って表現ができます。(ko-chi @ Calgary)

cf. sponge, sponger

学会のお知らせ

本学会は通常、夏休みに行われてきましたが、今年は広島の大水害のためこの日に延期されました。面白そうな企画がてんこ盛りです。お近くの方はぜひお出かけください。Morihiroも参加します。(UG)

    

name-drop 復習


口コミから人気が広まった『カメラを止めるな!』に関する記事です。

Word-of-mouth has made the Japanese-language film "One Cut of the Dead" a big box-office hit and a topic of much water cooler discussion. If you haven’t heard of the movie, it’s one that will likely get an instant reaction from your Japanese friends if you name-drop its Japanese title, "Kamera o tomeru na!" (literally: “Don’t Stop the Camera!”). Even retired folks seem to know this movie. The story involves zombies, but that’s not what it’s really about.

以下省略

https://japantoday.com/category/entertainment/3-things-to-know-about-the-blockbuster-japanese-movie-‘one-cut-of-the-dead’

name-drop /ˈneɪm drɑːp/ が気になりました。文脈から「名前を口に出す」といった具合でしょうか。以下で確認していきます。

ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)では「さも親しげに有名人の名前をひけらかす」とあります。また、LDOCEでは “name-dropping” の形で “when someone mentions the name of a famous person they have met or have some connection with, in order to seem impressive to other people – used humorously or to show disapproval” と定義されています。英辞郎 on the Webではこの単語のもじりとして “brand-name-dropping” が載っていました。ブランド名を口にすること(で人に感心してもらおうとすること)を意味します。

この作品は国内外から高い評価を得ています。それは、単なるゾンビ映画では終わらない内容になっているからです。上映時間も96分と観やすいので、映画館に足を運びたいと思います。(seventh-dan)

name dropper - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

anti-Semitism 復習

 CNNの調査によると、反ユダヤ主義の人が欧州を中心にいるようです。

Anti-Semitism is alive and well in Europe

Anti-Semitic stereotypes are alive and well in Europe, while the memory of the Holocaust is starting to fade, a sweeping new survey by CNN reveals. More than a quarter of Europeans polled believe Jews have too much influence in business and finance. Nearly one in four said Jews have too much influence in conflict and wars across the world.

以下上陸

https://edition.cnn.com/interactive/2018/11/europe/antisemitism-poll-2018-intl/

 気になったのはanti-Semitism /ˌæntɑɪˈsɛmɪtɪzm̩/ です。記事の中にJew「ユダヤ人」が出てきていることから、「反ユダヤ主義」という意味なのではないかと考えました。
 まず『ウィズダム英和辞典』を引いたところ、anti-Semitismで「反ユダヤ主義[思想、運動」とありました。また、LDOCEでは“hatred of Jewish people”と定義されています。このSemitismの元はSemiticで、「セム人[ユダヤ人]の;セム語の」という意味です。
 お恥ずかしながらセム人を知らなかったので、調べてみました。コトバンクには、「セムという名称は,《創世記》10〜11章で,ハム,ヤペテとともにノアの息子であるセムが,いわゆるアッシリア人,アラム人,ヘブライ人,アラビア人等の先祖とされていることから,これら諸民族の総称として1781年にドイツの学者A.L.vonシュレーツァーが採用したものである。」と説明がありました。また、セム語族として現存し、話されているのはヘブライ語アラム語エチオピア語,アラビア語などなんだそうです。ただし、anti-Semiticとする場合に、Semiticは主に「ユダヤ人」のことをさすそうです。コトバンクには他にも様々な記述があったので、興味のある方は「セム人」で検索してみてください。
 ちなみに、英辞郎 on the WEBによると「反ユダヤ主義」はanti-Zionismとも表現することができるそうです。(Blue Sky)

anthropomorphic 復習

 「スポンジ・ボブ」の原作者であるステファン・ヒーレンバーグさんが現地時間26日に亡くなりました。

'SpongeBob' creator Stephen Hillenburg dies at 57

Stephen Hillenburg, who used his dual loves of drawing and marine biology to spawn the absurd undersea world of "SpongeBob SquarePants," has died, Nickelodeon announced Tuesday.

Hillenburg died Monday of Lou Gehrig's disease, also known as ALS, the cable network said in a statement. He was 57.

He had announced he had the disease in March 2017. His death comes just weeks after the passing of another cartoon hero in Marvel creator Stan Lee.

中略

While there he drew a comic, "The Intertidal Zone," that he used as a teaching tool. It featured anthropomorphic ocean creatures that were precursors to the characters on "SpongeBob."

以下省略

http://mainichi.jp/english/articles/20181128/p2g/00m/0in/001000c

 anthropomorphic /ænθɹɒpəˈmɔɹfɪk/ を取り上げます。文脈から、人間のようなという意味になるのだろうと思いました。『ジーニアス英和辞典』(第4版 大修館書店)には「1(神、自然の)擬人観(論)の;神人同形説の 2人間に似た(形をした)」とありました。

 LDOCEにはanthropomorphismで “the belief that animals or objects have the same feelings and qualities as humans” や “the belief that God can appear in a human or animal form” と定義されています。形だけではなく、人間と同じような感情を持っていると考えることも含まれます。

 anthropoは「人間の、人間に関する」という意味を表す連結要素で、他にも同じ語頭の単語を上記の英和辞典で探してみると、anthropometry /`ænθrəpάmətri/ 「人体測定(学)」、anthropocentric /`ænθrəpəséntrɪk/ 「(正式)人間中心の」などがありました。人間に関連する語としてそれぞれ押さえておきたいです。(aqua)

Anthropocene - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
anthropomorphize - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

dramatis personae

Shakespeareについての授業の中で用いられていた単語を紹介します。dramatis personae /drˈæməṭɪs pɚːsóʊniː/ です。最初に見たときはスペルに違和感を覚えました。以下辞書の定義です。

Oxford Dictionary of English (2th): “the characters of a play, novel, or narrative”

Collins Advanced Learner’s Dictionary (8th): “The characters in a play are sometimes referred to as the dramatis personae”

ジーニアス英和辞典』第5版(大修館):「⦅正式⦆[複数扱い](劇・小説・映画などの)登場人物」

語源はOEDによると “mid 18th cent.: from Latin, literally ‘persons of the drama’”とのことです。ラテン語由来の表現であるため、スペルも少し見慣れないものになっていると考えられます。

念のためpersonの由来も同書で調べてみると “Middle English: from Old French persone, from Latin persona ‘actor’s mask, character in a play’, later ‘human being’”と記載されており、やはり同じところに語源があるということが確認できました。ちなみにpersonaeの最後のeは複数であることを示しています。(ko-chi @ Calgary)

machete 復習


宮崎県高千穂町の住宅で家族6人の遺体が見つかった事件で、警察は新たに犯人が凶器に使ったとみられるナタを発見しました。
TAKACHIHO, Miyazaki Prefecture--A man who apparently committed suicide after five family members and a friend were killed had caused problems at home with his extramarital affair, sources said.

http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201811280040.html

本日取り上げる表現は、見出しにある “machete” /məʃéṭi/ です。
ウィズダム英和辞典』でその意味を調べてみると、同義語として “cutlas(s)” /kˈʌtləs/ も載っていたので、両者の違いを確認してみましょう。
まず、前出の macheteはスペイン語由来で、同辞書には「なた、山刀〈中南米・アフリカで武器・砂糖きび刈りなどに使う〉」と載っていました。ちなみに日本語ではそのままカタカナ読みで「マチェーテ」とも言うそうです。
一方、後出の cutlas(s) はラテン語由来で、「(昔船乗りが武器にした)そり身の短剣」とありました。

日本語的に同じ意味とは言え、由来が違えばその使い方も違うのだなということを学ぶ良い機会となりました。(Morihiro)


machete 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
machete 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
machete 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から