常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

downbeat

 来月には日ロ外相による交渉が行われるようですが、先行きは不透明なままです。

Kremlin downbeat on Japan peace deal chances before Abe visit

MOSCOW-- The Kremlin on Monday played down the notion that Russia and Japan would be able to swiftly clinch a World War Two peace deal or resolve a decades-old territorial dispute, a day before the two countries are due to hold talks on the issues.

以下省略

http://www.asahi.com/sp/ajw/articles/AJ201901220010.html

 気になったのは、見出しにあるdownbeatです。ダウンビートというと、音楽では小説の頭の1拍を指しますが、英語で使われるとどのような意味になるのでしょうか。
 まず『ウィズダム英和辞典』を確認したところ、「悲観的な、暗たんとした」とありました。また、LDOCEでは“not showing any strong feelings, especially not happy ones”と定義されています。
 ちなみに、対義語はupbeatで、「楽観的な」という意味になります。調べた限りでは、downbeatとupbeatの形容詞にどうしてこのような意味が生じたのかはわかりませんでした。しかし、どちらも名詞的用法に音楽的な意味を持つので、音楽的イメージに由来しているのではないかと思います。(Blue Sky)

get real 復習

 昨日の1限の授業では、英語で話す力を伸ばすためにどのようなことができるか(または必要か)について学びました。スピーキングに対して苦手意識があったとしても、なかなか目を向けられないでいることも少なくありません。個人が今の自分の力を知り、意識的に努力をしなければなりませんが、人に向かって目を覚ますよう促す際に使う表現に、 “Get real!” という言い方があるとUG先生がおっしゃっていました。『ライトハウス英和辞典』(第5版 研究社)で調べると「(略式)現実的に考えろ」とありました。主に会話で用いられる表現であることがわかりました。

 Merriam-Websterには “to stop deceiving oneself or fooling around” や “face reality” と定義されており、ふざけていないで現実を見つめることを意味します。

 上記の英和辞典には、realの項目に類義語についてまとめてありました。「real 外見と内容が一致した正真正銘のという意味 actual 現実に存在しているという意味 genuine, authentic にせ物でない、本物のという意味 true 事実に照らして正しいという意味」とそれぞれ説明がなされています。例に “That’s her real mother.” 「あの人が彼女の生みの母です。」という文が取り上げられており、biological mother以外にもrealという簡単な英語で代用できることを知りました。(aqua)

frigid 復習

極寒のホテルの室内は、氷点下7℃にも及びます。

Coolesthotel in Japan right now opens in frigid Hokkaido

SHIMUKAPPU, Hokkaido--A luxury hotel here is offering guests the memorable experience of spending the night in a sub-zero room made entirely out of ice.

以下省略

http://www.asahi.com/sp/ajw/articles/AJ201901220062.html

気になったのがfrigid /ˈfrɪdʒɪd/ です。文脈から「寒い」であると推測しました。

ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)では「寒冷な、極寒の、無感動な、冷淡な」とあります。また、LDOCEでは “not friendly or kind” “very cold” と定義されています。「英・語・源」で確認すると、ラテン語のfrigere(=to be cold), frigus(=cold, frost)に由来している事が分かりました。

写真を見る限り、室内の中は幻想的な雰囲気で満たされています。しかし、何と言ってもその寒さです。-7℃には、言葉を失ってしまいそうです。(seventh-dan)

frigid 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

'Polar Vortex' - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

ritz 復習

スキーリゾートとして有名な長野県白馬村には、高級ホテルが増えてきているようです。

Japan in Focus / Hakuba village is putting on the ritz

HAKUBA, Nagano — Luxury accommodations are being developed in Hakuba, Nagano Prefecture, which has gained popularity domestically and internationally as a ski resort.

(以下省略)

http://the-japan-news.com/news/article/0005490248

見出しにあるritz /rɪ́ts/ を紹介します。「リッツ」と聞くと、みなさんも一度は食べたことがある、あの美味しいクラッカーが思い浮かびますが、この記事ではどのような意味で使われているのでしょうか。

ジーニアス英和辞典』第4版(大修館)にはRitzで「リッツ<有名高級ホテル>」とあり、ritzy /rítsi/ で「豪華な, 上品な, 上流の;きざな」とありました。Oxford Living Dictionariesには “ostentatious luxury or glamour”, “used in reference to luxurious accommodation” と定義されています。
また、put on the ritzで “make a show of luxury or extravagance” とあり「豪勢にする」という解釈ができます。

語源を見てみますと “Early 20th century: from Ritz, a proprietary name of luxury hotels, from César Ritz (1850–1918), a Swiss hotel owner” とありました。(同辞書)これは世界中で高級なホテルを経営する「ザ・リッツ・カートン」から来ているそうです。(amphibian)

ritzy - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

lion’s share 復習


 今日、UG先生が仰っていた表現から一つ、盗み拾います。
 それはlion’s shareです。直訳するとライオンの分け前といった感じでしょうか。実際はどのような意味か調べていこうと思います。
 まずは『ジーニアス英和辞典』(第四版、大修館書店)で調べてみました。「一番大きい分け前[部分]」と説明されています。LDOCEでは“the largest part of something”と定義されていました。ofと一緒に使います。
辞書には例文として、“take the lion’s share”とありました。「いいとこどり」にピッタリの表現だと思います。
 ちなみに語源はイソップ寓話の『獅子の分け前』というお話だそうです。読んだことがなかったので、あらすじをインターネットで追ってみました。まさにlion’s shareの意味そのままだなと感じるお話でした。(rain)

budgerigar 復習


インコの世界でも、賢いオスは人気があるようです。

Researchers used 34 small Australian parrots, known as budgerigars, to test the notion that a suitor’s smarts could outweigh style or songs.

以下省略

http://the-japan-news.com/news/article/0005471686

budgerigar /bʌ́dʒəriːɡὰːr/ を取り上げます。parrotをヒントに推測すると、インコの一種でしょうか。

ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)では「セキセイインコ」とあります。また、LDOCEでは “budgie” の形で “a small brightly coloured bird that people keep as a pet” と定義されています。Oxford Living DictionariesではMid 19th century: of Aboriginal origin, perhaps an alteration of Kamilaroi gijirrigaa (also in related languages).と語源が載っていました。

知的な振る舞いが、異性に対して魅力的に見える。それは、インコの場合でも有り得るというのが非常に面白いです。インコから知恵をつける大切さを教えてもらいました。(seventh-dan)

budgerigar - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

melt hearts


 仙台うみの杜水族館にいる、オウサマペンギンのひなが、人気を集めています。

King penguin's jumbo-size baby melts hearts in aquarium video

SENDAI--A video of a king penguin's fluffy 5-month-old baby toddling about at an aquarium here is generating a wild buzz online.

以下省略

http://www.asahi.com/sp/ajw/articles/AJ201901210031.html

 見出しにあるmelt heartsを取り上げます。文脈と各単語の意味から、「和ませる」といった意味なのではないかと考えました。
 まず『ウィズダム英和辞典』を引いたところ、meltの第2義に「〈気持ち・人など〉を和らげる、優しくする」とありました。また、同じ項目には例文として、Her smile melted my heart.「彼女の笑みに私は心が和らいだ」が示されています。記事のmelt heartsもこれと同じ用法なのではないかと思います。確認のためにMerriam-Websterも確認したところ、“to become mild, tender, or gentle”と定義されていました。meltと聞くと「溶ける」という意味をまず想像してしまいますが、『ウィズダム英和辞典』によると、語源は「柔らかい」なので、語源を知っていると納得できる表現の仕方なのではないかと思います。(Blue Sky)