常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

epitome 復習

昨日の裏ゼミにて、俳優の堺雅人さんと女優の吉永小百合さんが共演の映画『北の桜守』についての英文記事を読んでいる中で、UG先生は “She is an epitome of Japanese womanhood” とおっしゃっていました。今回はepitomeの意味と使われ方について探っていきたいと思います。
epitome /ɪˈpɪtəmi/ を『スーパーアンカー英和辞典』(第五版、学研プラス)で引いたところ、「(〜の)縮図、化身、権下、見本、お手本(of)」と記されていました。さらに、Oxford Dictionaries では第一義に “(the epitome of) A person or thing that is a perfect example of a particular quality or type.” とあり、第二義に “A summary of a written work; an abstract.” と定義されています。今回のepitomeの対象が国民的女優の吉永小百合でありJapanese woman hoodとも共起されていることから、単なる「見本、典型」というよりも「日本の母、象徴」を示していることが再確認できました。
また、「英・語・源」でepitomeの成り立ちを調べてみると、接頭辞のepiはギリシャ語のepiテで「上の、その上の、外の」を表すと記載されています。ここで上記の第二義「縮図、要約」という訳に着目してみましょう。再度、Oxford Dictionariesで語源を振り返るとEarly 16th century: via Latin from Greek epitomē, from epitemnein ‘abridge’, from epi ‘in addition’ + temnein ‘to cut’. とあり、ギリシャ語とラテン語を通じて発展した単語だと分かります。元来は第一義の使われ方ではなく、第二義に近い意味で用いられていたことが推測できるかと思います。(broccoli)

epitomize, epitomise#2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

epitomize, epitomise - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から