常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

P.A. Smithと大和田家

 現在,4年生は必死こいて卒業のためのペーパーを書いています。が,必死こいてあれこれとmeet the deadlineしているのはこちらも同じ。
 そのうちのひとつが元広島高師 庸外国人のPercy. A. Smith氏(1876~1945)に関する論考です。これは数年前に秋田での学会で発表したものですが,今になってやっと論文化するという体たらく...(反省)。明日の夜までには脱稿し,送らねばならないので必死です。
 Smith氏は広島高師に日本人として初めて英語音声学を導入した杉森此馬(このま)の補佐として,英語音声の実技を担当した米人でしたが,そのときに配布していたプリントをまとめてNotes on Practical Phonetics.と題した小冊子を公表しました。その冊子を故 松村幹男先生からずい分前に貸与していただいたのにかかかわらず(複写しました),学会で発表した以降,ほっておいたのは不徳のいたすところです(また反省)。
 そんなこんなで苦しみ抜いているところ,夕食のときにためていたビデオ類を(速)視聴しているときに,NHKの「ファミリーヒストリー」(2017年12月6日放送)で,俳優 大和田伸也氏の回を見てびっくり,しばし箸が止まりました。
 福井県敦賀市にある日本聖公会敦賀基督教会に伸也氏の父親である大和田勝氏が信徒として通っていたのです。その記念写真に勝氏と一緒に写っていたのがP. A. Smith氏でした。
 杉森とともに初めて日本の英語教室で英語音声学を教え,さまざま工夫を凝らしたあのSmith氏が小さな子供たちと写っているではないですか。Calling(召命)のため人生の半ばで伝道へとシフトした彼が,今,その功績をまとめている彼が突然,TV(Video)の画面に出るなんて!彼が敦賀教区にいたのは大正2(1913)年から数年間のこと。敦賀の名家 大和田家とそんなかかわりがあったとは。

 思いがけない発見にただただびっくり。こんなことに気付いたのは全国で自分だけだったりして...。だから歴史研究はやめられない。なおSmith氏が担当した最後の教区はひこにゃんで有名な滋賀県彦根市。そこにはSmith氏の遺徳を継ぐ,スミス会議という非営利団体が活動しているそうです。

などとぐたぐた書き連ねないで,論考にもどりましょ!(UG)


日本英語教育史学会第26回全国大会(秋田大会) - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

A month of Sundays - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

英学発祥の学校へ再び - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

http://smith-meeting.com/hall/

PS 再放送は午前中でした!あとはOn Demandで。