常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

peg back

なでしこジャパンが,初めて女子W杯で優勝しました。サッカー後進国と言われていた国が,世界を制したことは本当に感無量です。

Japan are FIFA Women’s World Cup™ champions for the first time after a penalty shootout victory over USA, following a drama-charged 2-2 draw in Frankfurt.
Defender Saki Kumagai had the honour of hitting home the decisive spot-kick as Japan triumphed 3-1 in the shootout. USA were twice pegged back but it took Homare Sawa to equalise three minutes from the end of extra time to force penalties.
http://www.fifa.com/womensworldcup/matches/round=255989/match=300144437/summary.html
今回の注目表現はpeg backです。pegは名詞では「くぎ」,動詞では「〈人が〉〈物〉をくぎでとめる」という意味になります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。これがpeg backとなると,通例peg+目的語+backの形で「(スポーツで)〈相手の〉リードを縮める」という意味に変わります(同上)。上記の英文では,受け身の形で使われており「USAは2回追いつかれて」と訳せるかと思います。
これは私の感覚の話になりますが, pegの元々の意味からpeg backには「小さい力だけど,打たれたら頑丈なくぎのように,不屈の闘志で追いつく」というニュアンスが感じ取れました。なでしこジャパンが世界一になれたのは,「不屈の闘志」があったからでしょう。(Sugiuchi)