常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

close in 復習

 現在アジアで一番資産を持っているのは日本人ですが、中国人の資産家たちがそれに迫る勢いです。

Japan’s rich have the most cash in Asia, but China is closing in

Japan’s richest have the largest accumulation of wealth in the Asia-Pacific region, at $7.7 trillion, but the legions of Chinese millionaires are rushing to catch up.

以下省略

https://www.japantimes.co.jp/news/2018/11/28/business/japans-rich-cash-asia-china-closing/#.W_6b6UpcXDs

 close inを取り上げます。記事が日本の資産家たちの資産に中国人資産家たちが追いつきそうだという内容なので、「迫る」といった意味ではないかと考えました。
 まず『ウィズダム英和辞典』を確認したところ、close inで「〈軍隊などが〉≪人・場所を≫(包囲[攻撃]しようと)迫ってくる≪on, around≫」や「〈夜・暗闇などが〉≪人・場所に≫迫ってくる≪on≫」とありました。また、LDOCEでは“to move closer to someone or something, especially in order to attack them”と定義されています。これらの定義から、やはり「迫ってきている」という意味で捉えて問題なさそうです。
 ちなみに、closeの自動詞の欄に「〈距離・差異などが〉縮まる」という意味が載っていました(『ウィズダム英和辞典』)。この語義からきている句動詞がclose inなのだと思います。(Blue Sky)

close in on 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

pitch black 復習

大阪の吹田市のホームセンターで火災が発生し、周辺には介護施設や幼稚園があり、大勢の人たちが避難しました。

SUITA, Osaka Prefecture--About 100 senior citizens, many in wheelchairs, were evacuated along with seven preschoolers here on Nov. 28 after a fire broke out in a nearby retail outlet.

(中略)

"It was pitch black outside the window," she said.

(以下省略)

http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201811280032.html

今回はpitch blackを紹介します。pitchで「投げる」など意味がありますが、ここでは違った意味で使われているようです。

ジーニアス英和辞典』第4版(大修館)でpitchを引いてみたところ、(as) black as pitchで「真っ黒[真っ暗]な」とあり、限定用法ではpitch-blackとありました。LDOCEは “completely black and dark” と定義していました。

またpitch /pítʃ/ 一語で「瀝青物質<地獄の刑罰;木材塗料・道路舗装用>」とあり、いずれも「黒」を表しています。

以上のことから、「外は煙で真っ暗だった」と解釈できると思います。(amphibian)

pitch-black - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
pitch black 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
pitch-black 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

hefty 復習

 Intercultural Communicationの授業では、Group Projectの一環でFinal Paperに取り組んでいます。グループの一人として的確な発言をしようとすればするほど、かえって完全に聞きの態勢に入ってしまうのは悪い癖であると自覚しています。もしその思考に詰まってしまったならば、この手の活動の場合、グループ内の他の人に聞けばいい話なので、秋セメスター修了まであとわずかですが、その癖を正していきたいと考えています。
 今回紹介する単語hefty /ˈhɛftɪ/ は、今日の活動の中で出てきたもので、思わずその場で意味を聞いてしまうほど耳に残るものでした。その場での説明によるとbigという意味を持つとのことでしたが、改めて辞書で調べていきます。
 New Oxford American Dictionaryでは、”large, heavy, and powerful”とありました。現在自分のグループは「文化」における「ファッション」の位置付けをトピックにしているのですが、heftyはその情報量の膨大な様や含有される文化的意味等の多さなどを表せる単語でもあると感じました。(WREN@Nebraska)

hefty 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
hefty 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
a hefty price #2 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
http://d.hatena.ne.jp/A30/20151222/1450748438;title

simulcast 復習


 NHKが2020年までに受信料を合わせて4.5%値下げすることを発表しました。

NHK to cut TV viewing fees by 4.5%

NHK’s board approved the public broadcaster’s plan on Tuesday to cut its television viewing fees by 4.5 percent by fiscal 2020.

The fee cut plan was designed to meet a government-set condition for starting the online simulcast of TV programs.

NHK’s Board of Governors voted to revise the broadcaster’s fiscal 2018-2020 business plan to include the viewing fee cuts in it.

以下省略

http://the-japan-news.com/news/article/0005376351

simulcast /sάɪm(ə)lk`æst/ を取り上げます。simulで始まっていることから、同時にという意味が含まれていると考えられます。『ライトハウス英和辞典』(第5版 研究社)で調べると「(普通は受身で)(ラジオとテレビで)同時に(…)を放送する」「同時放送(番組)」とありました。

 LDOCEには “to broadcast something at the same time on two or more media such as television, radio, or Internet, or at the same time as it is happening” と定義されています。テレビやラジオの他にもインターネットなども含まれることがわかりました。

 来年10月からの消費税増税時には受信料を据え置き、2020年10月から2.5%の値下げを行うことで、合計4.5%の値下げを行うとのことです。(aqua)

covet 復習


ミシュランガイド東京2019」が発表され、東京は星付きの掲載店数で世界一の座を維持しました。

Tokyo holds on to coveted spot as city with most stars in 2019 Michelin Guide

以下省略

https://www.japantimes.co.jp/life/2018/11/27/food/tokyo-holds-coveted-spot-city-stars-2019-michelin-guide/#.W_5WEBZcWEc

covet /ˈkʌvɪt/ を取り上げます。「誇る」といった意味になるのではないかと推測しました。

ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)では「(他人の物)をむやみに欲しいと思う、熱望する」とあります。また、LDOCEでは “to have a very strong desire to have something that someone else has” と定義されています。Oxford Living DictionariesでoriginをみるとMiddle English: from Old French cuveitier, based on Latin cupiditas (see cupidity).と載っていました。以上から「喉から手が出るほどほしい」という日本語を想起しました(cf. most-coveted~)。

今回は日本で初めて「おにぎり」の料理カテゴリーが登場しました。これにより、日本食の強み、美味しさが今まで以上に世界に広がっていけばと思います。(seventh-dan)

covet 復習 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

strong suit 復習

こちらカルガリー大学では12月10日からfinal exam期間に入りますが、私の場合、来月の1週目までに締め切りの提出物が幾つか続けて重なってしまい、今週も再び忙しくなりそうです。そして先日は、カナダ人の友人とテストや課題についてchatを交わしていた際、1つ気になる表現がありました。以下が実際の会話です。(私の英語に間違いがあれば簡単に指摘して頂けると有難いです。。)

Ariana: How are your papers coming?

Me: I have 3 papers in total actually, which I have to hand them in by Dec. 10.
I’m working on them and halfway there, so I’ll be all right!

Ariana: Wow, I’m just freaking out about 1 paper. I can’t imagine 3!

Me: Well, since there have been a lotta essay assignments in my classes, I don’t feel challenged to do stuff like academic writing. Writing itself is not my forte, though lol

Ariana: Same. Writing is not my strong suit either.

上記の文脈から 、strong suitは「(自己の)強み」を指すことが分かります。また、suitを使うあたりがnativeなりの表現の仕方であるような印象を受けたので、辞書を用いて調べてみました。

Urban Dictionaryを引くと、“A term derived from card games in which, because of defined superiority or dealt strength, certain card suits become more powerful during a card game. Usually used as metaphor to describe dominant or distinctive qualities of a person, place or thing.” と定義されていました。

以上から、suit には「適している」及び「トランプの組札」などの意義があり、strong suit自体は「強い手札」と訳すことが可能ですが、そこから転じて「(人間の)長所、強み」という隠喩的な解釈に至ったと思われます。ちなみに、逆の「弱み」は weak suitと表せるそうです。(bro-taro-world @ Calgary)


forte #3 - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

sentiment is my forte - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から