常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ゼミで学んだこと #27

 この1年間は、いろんな経験を通して、自分の強みや弱みなどを知ることができました。その中でも、ゼミでは自分の不足している部分をたくさん発見することができたと思います。UG先生に多くのことを教授していただいたことで、自分が今まで触れてこなかった世界の話や英語の奥深さなどに触れることができ、とても感謝しております。学んだことは数えきれないですが、いくつかの点について述べたいと思います。

 このゼミが始まるちょうど4月頃、私たちは教育実習直前で、模擬授業を行っていました。3年生から模擬授業をやっていたものの、自信は全くありませんでした。その時に、先生に教えて頂いたのが「授業の勘どころ」です。扇風機のように教室を見渡し、視野を広くすることを教えて頂いたことで、実習中常に意識することができました。実習中に感じたことは、自分が大切だと思うことを、一生懸命繰り返して話すほど、生徒は意外と聞いていないことが多いということを感じました。むしろ、プリントに簡潔に目立つように記し、集中させて短く話したほうが、生徒は集中して捉えていたと思います。完璧な扇風機はまだできていないと思いますが、それをすることで、見えてくるものはとても広くなるのだなと思います。教員になったら、生徒の目線から生徒の気持ちが見えるような教員になりたいと思います。
 さらに、授業の勘どころでは声のトーンの調整や発問の仕方、授業のリズムについても学びました。声のトーンについてはとても勉強になりました。実習中、先生のようにわざと小さな声で話すことを試みました。本当に静かになり、驚きました。また、発問をするときも、全体から個人にするようにしました。そうすることで、一人の生徒に緊張状態を与えず、全員が考えられていたと思います。しかし、話すスピードと授業のリズムが一定になってしまうことは、実習で克服することができずに終わってしまいました。話し方のテンポをうまく使い分けられるようになりたいと思います。
 また、英語の発音の仕方も大変勉強になりました。私は、口の開き方が足りずに、いろいろな音が発音できていませんでしたが、その中でも、wの音が最も苦手でした。その分、気を付けて発音できたと思います。また、先生がやっておられていたような、発音矯正も教員の一つの役割だと思うと、正直不安です。今度は、自分が生徒の発音を聴き、生徒の発音を直していかなくてはなりません。舌の位置や音など、勉強していきたいです。

次に、このゼミで最も学んだことは、教員としての責任の重さです。私は、小さい頃から先生が大好きで、気づいた時には教員という仕事に憧れていました。進路選択においては、迷いながらも教員という道が常に頭にありましたし、きっとなるんだろうなと思って大学まで来ました。なぜ、英語教員になろうと思ったか、教員になって何がしたいのか。この1年間、何度自分に問いかけたかわかりません。今まで、自分はなりたいものに向かって頑張っているつもりだったということに気づきました。この年になって初めて自分の進路に向き合ったのかもしれません。このゼミに入り、今までは英語教員になる憧れで終わっていましたが、それとは打って変わり、英語教員になることへの怖さを覚えました。それはあまりにも知らない知識がたくさんあり、力量がないと心底感じたからです。実習が終わってからも、「教員になっていいのだろうか」「教員に本当に向いているのだろうか」ととても悩みました。そんな迷っているうちはダメだと、自分のなかで焦りが出てきてしまい、民間の就職活動もしました。

しかし、そんな時に、先生の言葉がすごく引っかかっていたのです。「自分の夢に対する想いは絶対に捨てるな。」という言葉でした。私は、自分の無能さを感じつつも、それでも、なりたいという想いを捨てきれずにいました。戦う前からあきらめたら絶対に後悔すると思い、教員採用試験に全力を注ぐことができたのです。

後期に入ってからは、自分の目線が少しずつ変わってきました。前期までは先生に教えていただくことから学んでいましたが、後期からは、UG先生の教え方や話し方を見て学ぶことがたくさんありました。ゼミ生の表情一つ見逃さない姿や授業の切り替え、一人一人のゼミ生の心に向けてメッセージを送ることなど、本当にすべてが勉強になりました。私には、教員になる責任の重さということをいつも語りかけてくださいました。それも、生徒の心がどんな状態であるかということが表情から見抜けているからだと思います。言葉以外の部分で、生徒の心が分かるようになる教員に成長していきたいと思います。

今、思うと、あの時遠回りしてよかったなとつくづく思います。教員になる怖さを知らないで教員になっていたらと思うと、そっちのほうがとても怖いことだったなと感じます。ただ、怖さを知っただけでなく、そこから自分がどう行動していくかということが最も大切なことだと思います。私は、自分にもっと厳しくしていかなくてはなりません。この先、何人もの生徒が私を見て、成長していくことになります。自分がどうあるべきか常に考え、精進していきたいと思います。

先生は「種をまくのが仕事」という言葉を使っていらっしゃいました。お忙しい中、本当にたくさんの種をまいていただきました。本当にありがとうございました。(Big Paddy Field)