常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ゼミで学んだこと #8

この1年間を通してゼミで学んだもっとも大きなことは、英語との向き合い方であると考えています。


それまでの私は、ただ適度に英語を勉強していれば、そのうち英語の力もついてくるだろうと考えていました。しかし、先生が大学生の頃は、すでに通訳の経験を摘んでいた、以前のゼミ生はこんな問題簡単にできた、などというようないろいろなお話を聞いて、今何の力もついていない自分が悔しくなりました。


さらに、紙の辞書を使うようになり、辞書につけられた3ゼミ生の付箋の量と自分の付箋の量を比べても、明らかに大きな差があります。そういったものを見ても、3年生よりも勉強量が少ない自分がとても恥ずかしく感じられるようになりました。


こういったことを踏まえて、今までの自分を考えると、私は英語を自分の物にしようという意識をまったく持っていませんでした。気が向いたときに英語を勉強し、何も意識せずに自分のやりたいことをやっているだけ。それでは何も身に付かないのも当然だと思います。このゼミに入ったことによって私は、英語の面白さ、それに早く気づきどんどん先を走るモチベーションの高い仲間たち、自分の中の想いに気付くことが出来ました。それと同時に、今まで私は真に英語と向き合うことから逃げていたことに気付かされました。


おそらく、このゼミに入っていなければ、私は今まで通り、ただ何となく勉強するだけで、英語の面白さに気付くこともなく、大学を卒業したら英語には一切触れなくなるという人生を送っていたと思います。けれども、このゼミで英語の世界観を知ることによって、もっともっとその世界に浸れるようになりたい、その世界での自分の力をもっと伸ばしていきたいと思うようになりました。そしてそう思えたことによって、自分自身の弱い部分と向き合うことができるようになりました。今までは自分のやりたい勉強だけをしていました。しかし、英語の力をさらに向上させるためには、自分が苦手な部分の克服が欠かせないと思うようになり、苦手な項目をさらに勉強し、しっかりと向き合えるようになりました。


この1年間は本当に内容の濃い1年であったと思っています。このゼミが始まったばかりの4月。最初の授業はお辞儀の仕方、立つときの姿勢、声の出し方など、英文学科のゼミであるとはとても思えないような授業をしていました。これはすべて、約2か月後に控えた教育実習のためのものです。初めはなぜこんなことをやっているのか、これがどう役に立つのか分かりませんでした。けれども教育実習に行き始め、教員として生徒の前に立つということがどれほど大変なことで、教師としての振る舞いがどれだけ大切なものであるのかということを痛感させられました。


さらに、実習に行く前までは、模擬授業を行い、お互いに批評をし合う授業を行っていました。自分を見て、それを他人に評価してもらうという機会はめったにありません。また、何回も見てもらい、良い点や改善点を指摘してもらったり、仲間の授業も見ることで、一回一回の授業をより客観的に見ることができるようになりました。その結果、実際の教育実習では生徒からの目線を大切にしながら、堂々と授業が出来るようになりました。日々のゼミの授業において、教師は大変な仕事であり、その英語力も一筋縄ではいかないものであるということを聞かされていました。教育実習は本当に大変な3週間でしたが、覚悟して臨むことができ、それをうまく乗り越えることが出来たのは、先生に教師としての現実を常に教えていただいていたからだと思います。


このゼミで一番つらい思いをし、一番達成感を得られたことは、夏休みに行ったゼミ合宿でした。最初はオールイングリッシュという環境に置かれることに、大きな不安を感じていました。しかし、そういった環境で過ごしてみたことによって、周りとの英語力の差、思ったように話せなかったことからくる自分の英語力のなさを痛感させられ、英語に対する考え方を見直すきっかけとなりました。


教育実習や、一大イベントである夏合宿が終わった秋学期には、主に英語の学習方法について教えていただきました。Speaking の心得、Reading、Listening の仕方、英語情報の仕組み。そういった英語の根本的なことや勉強の仕方を教わることによって、今までとは違った見方が出来るようになりました。そのときに教えていただくことの一つひとつが本当に内容の濃いもので、毎回の授業を通して今日はどんなことを教えてもらえるのだろうかと楽しみでもありました。


私は、これから英語とは関係のない道に進みます。自分で触れようとしなければ、まったく関わることのない環境になります。けれども、この1年間のゼミを通して、自分の英語力をもっともっと向上させていきたいという思いが強くなりました。日頃使っていく頻度は少なくなりますが、合宿の最終日、ろうそくの火をみんなで囲んで言った自分の誓いの言葉を実現させるために、私はこれからも英語としっかり向き合っていきたいと思います。このゼミを通して、英語は私にとって生涯をかけて勉強していきたいと思えるものである気付くことができました。
1年間本当にありがとうございました。(West Village)