常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ゼミで学んだこと #4

 おそらく、UGゼミに所属していなければ私は今頃とっくに教師になることを諦めていただろう。
 「先生になりたい」という思いは大学入学以前からあった。正直なところ教科はどれでもよかったので、比較的得意な科目であった英語で免許を取れる学部を選択し、明治学院大学に入学することとなった。しかし、これが苦痛の始まりとなってしまった。これまでは大学入試で成功するという具体的なゴールのために勉強してきたが、今度はそのような具体的なゴールはない。結果、何のために英語を勉強しているのか分からなくなり、意味の分からない苦しい大学生活を送るようになってしまったのである。
しかし、3年生になりUGゼミに入りここで初めて大学生活に花が咲いてきたのである。先生から明治学院大学と英語教育の歴史が密接な関係にあるということをお話しいただいたことは強く印象に残っている。私たちが普段使っているローマ字は明学の創始者であるポートヘボン氏が発案したものであるということ、明学が「一英和学校」として日本で一番はじめに英語教育を始めたということなどを教えていただいた。このとき、初めて明学が好きになった。また、毎授業の最初に行われるWUではクイックリスポンスやしりとりゲームなど今までにやったことのない面白いアクティビティーを体験することができ、自分も教員となったら先生のようなアイデアマンになりたいと感じた。
そして、このゼミでの一番の思い出は夏合宿であろう。ALL Englishで生活し、さらに模擬授業もすべて英語と聞いた時には鳥肌の立つ思いであった。しかし、やるしかないので教具やプリントの作成に全力を注ぎ、大きな声で楽しく、を心がけて授業をしてみた。しかし、自分の英語力のなさが前面に出てしまい、この上なくたどたどしい授業になってしまった。自信がないから上手く話せない、そしてあわてるという負のスパイラルに陥った。これが初めて、自分から学びたいと思うようになった瞬間である。と同時に、このときから私は恥ずかしくても人前で英語を話せるようになりたいと思ったのだ。
秋学期以降、だんだんゼミ生との温度差を感じるようになっていった。皆の辞書には付箋がたくさん増えていき、単語帳も汚れていった。自分もやらなければとは思うけどどうしてもやれない。そんな日々が続いた。「今度こそ頑張ろう」と思っても何故か前へ進めない。こんな素晴らしい教授や仲間に恵まれているのに何故私はできないのだろうかと考え続けた。今になって考えてみると、答えは簡単であった。自分は怠け者だということが第一の理由である。それと自分は帰国子女でもないし留学もしたことないから、いくら頑張っても彼らにはかなわない、などと思い自分にリミットを作っていたのだ。「自分にリミットをつくるな」これはいつか授業で先生が仰っていたことである。しかし、頑張るのが嫌だから自分の中で言い訳をしてリミットを作っていたのである。一年かけてようやくこうした自分の側面に気づくことができた。これもUG先生やゼミで志を同じとする仲間に出会えなければ気付けなかったことである。
頑張れないから教師諦めようかと思うこともあった。でもやはり諦められない!UGゼミでの私は完全に劣等生であった。しかし、こんな私でも先生の目はいつも優しかった。私のような学生にも授業中に指名してくださり、丁寧なご指導を頂いた。特に、秋学期の中盤に行ったマイクロティーチングではフラッシュカードの使い方や発音の指導を丁寧にしていただいた。私も、先生のようにどんな生徒も見捨てない教師になりたいと強く思ったのである。
また、一年間UG先生の英語力には大変驚かされつづけた。日本人なのにまるでネイティブのように発音をし、語彙の意味や用法のほんの小さな違いまで熟知されていた。この英語力にはおそらく一生追いつけないだろう。しかし、先生のように多くの生徒から尊敬されるにはやはり豊富な知識と授業力が必須なのであるということも感じた。「生き方は言葉で伝えるんじゃない、見せるものだ」という言葉をある人から聞いたことがあるが、私は先生のように日々の努力を怠らず「而今」の人生をおくりたいと感じた。Seize the day の精神を忘れずに生きていきたい。
いよいよ、今年は教育実習である。母校の中学校に行くことになるが、ゼミで学んだことを誇りに思い、当日まで努力をしていきたい。また、怠ける自分が登場した際には先生が教えてくれたことを思い出して、自分に鞭を打つようにしたい。4ゼミでも英語教育のゼミを志願したが、マイクロティーチングの準備はもっと入念に行い授業力をつけていきたいと思う。また、特別支援教育にも興味があるので、すべての子どものニーズにあわせた授業という観点からも英語教育を研究していきたいと思う。
最後に、このゼミで出会ったUG先生をはじめ、専修のゼミ生、4ゼミの先輩方、同じゼミの仲間からは本当に多くのことを学ばせていただいた。一人でいることが平気な私ではあったが、人は一人では生きていけないということもこのゼミで学んだ大きなことの一つである。(Elly)