常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Little things can go a long way

Rainbow先生が鶴田先生から発音の指南を受けられたときのお話をご本人に無理を言って詳細をお願いしたところ、お忙しい中、学生のためにと以下のごとく新たなバージョンを送ってくださいました。心して読むように。Rainbow先生、本当にありがとうございました。(UG)

UG先生

東広島でのお礼のメールのつもりが、話が大きくなってしまいましたが、私の経験が少しでもお役にたてるならそれは光栄です。

今日は前回、お伝えしたテレビ出演のお話しさせていただきます。

「入試解答速報」は公立高校入試当日に塾講師が解答&解説する番組です。私は「英語リスニング」のスクリプトを音読するという役割でした。(声だけの出演です)

何が大変って、原稿をいただいてから「生放送」の本番まで2時間しかないということです。

テレビ局に着き、原稿をいただいたら発音記号やアクセント等のチェックをし、読みながらイントネーションのマークを付け練習しました。ドライリハ、カメラリハ、本番、とあるので練習できるのは正味1時間でした。

もし、鶴田先生のご指導をお受けしてなかったら、市販のCDに入っているネイティブのごとく、スラスラ、流暢に音読するだけが「成功」と思ったことでしょう。

鶴田先生のご指導、「アメリカ人のように発音するのではなく伝えたいことが伝わる発音を」を、思い出しながら、原稿を何度も読み、作者になったつもりで「何を伝えたいのか」をそのためにはどんなreading aloudをすれば良いのか、という観点でマークを付け「自分なり」に練習しました。(カセットテープを持って行き、自分の声を録音し、聞いて修正、録音しては修正しました。)

「ネイティブのような発音」という「型」ではなく、自分が「伝えたいこと」を「伝える」ための発音、only one の reading aloudを目指しました。ある意味、楽しかったです。(放送が終わってから鶴田先生からはいくつかご指導をいただきました)

でも、練習の時、どんなに上手く読めても本番で間違ったらアウト!です。時間制限があるので読み直しはできません。一回勝負です。

何の世界でもそうですが、本番で納得のいく結果が出せれるかどうか、「付け焼刃」では太刀打ちできないことを痛感しました。

どう発音すればよいか頭でわかっていても、マイクを前に緊張状態では「相手に伝わる発音」も何もあったものではありません。最後まで間違わず、止まらずに読むのが精一杯でした。
あれ?と動揺するとリズムは崩れ、あせるとますます崩れ、情けない結果でした。 

いかなる状況にあっても自分の納得のいくreading aloudができること。それには常日頃からの訓練が必要なことを痛感しました。

自分の声が電波にのって放送されたと思うと、外を歩きたくない、毎回、みじめな思いで帰りはテレビ局からどうやって帰ったか覚えていません。

しかし、この経験は私にとって貴重な財産であり原点です。未だかつて自分の発音に自信がありません。が、鶴田先生のご指導をお受けできたことには誇りを持っています。

と、これを書きながら、最近、怠慢している自分が恥ずかしくなってきました。また「原点」にもどり、気持ち新たに努力を続けて行きたいと思います。

三浦省五先生(広島大学名誉教授)の「若いというのは年齢だけではありません。気持ちが若いのも入ります・・・」の言葉のごとくいつまでも「若く」ありたいと思います。

ありがとうございました。 (Rainbow)

http://d.hatena.ne.jp/A30/20130805/1375688436