常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

上智大学・ベネッセ応用言語学シンポジウム(感想)


昨日,上智大学四ツ谷キャンパスの中央図書館で行われた上智大学・ベネッセ応用言語学シンポジウムに参加してきました。会場は,学生から小学校教員,そして大学教授まで約200名が会場を埋め尽くしました。この学会は上智大学ベネッセコーポレーションとが,英語教育について研究を行ったものを発表するというものです。今回のテーマは「新課程直前 日本の中学校英語を考える―小中高をつなげる視点から―」です。学会は以下の順で進行されました。

1)小学校外国語活動と中学校英語をいかにつなげるか
  ―中1生・調査速報と実践事例から見えてくるもの―
・問題提起     吉田研作先生(上智大学
・調査結果報告   長沼君主先生(東京外国語大学
          沓澤 糸先生(Bennese教育研究開発センター)
・実践事例報告   中池さな恵先生(足利市立山辺中学校)
          山崎由佳先生(足利市立山辺中学校)
2)中学校英語で大切に育てたいもの
―旧・現行・新課程の中学校教科書比較から見えてくるもの―
・講演者      根岸雅史先生(東京外国語大学
3)シンポジウム
  2012年度からの中学校英語を考える―小中高をつなげる視点から―
・コーディネーター 吉田研作先生
・パネリスト    田中茂範先生(慶應義塾大学
          アレン玉井光江先生(青山学院大学
          長沼君主先生
          金森 強先生(松山大学
          根岸雅史先生

このように内容が盛りだくさんだったので,ここでは全体の内容の要約と,それに対する感想を述べさせていただきます。
今回の学会では,小学校の現状と中学校の小学校に対する認識のギャップを埋めていくか,ということがテーマでした。そこで興味深かったのは,小学校英語教育でも最低限文字取り入れていくべきなのでは,という声があることです。音声と文字のつながりは中学校から指導を始めてもいいかもしれませんが,小学校では「やっておきたかったこと」として音声と文字のつながりであるようです。そこで行われているのが,Phonicsの導入やKey Sentenceを黒板に板書するといった工夫です。このように小学校と中学校が理解し合い,歩み寄り合うように小中の連携をはかっていければ理想です。(Sugiuchi)