常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

語学研究所特別講座2011の感想

本日,東京家政大学で行われた語学研究所特別講座2011に参加してきました。学会は,午前中に谷口先生(東村山市立東村山第二中学校)の『中学校の授業のすすめ方』と,午後に八宮先生(筑波大学付属駒場中・高等学校)の『英語による授業のファースト・ステップ』という2本立てです。お二方とも今回のテーマである『授業づくりの基礎・基本を考える』を中心に,自身の授業ビデオとともに指導内容をお話してくださいました。今回は,私が中学校教師志望ということで,勝手ながら谷口先生の発表にフォーカスさせていただきます。
谷口先生は授業の基礎・基本として挙げられていたのが「授業の目標の明確化」です。今回先生がご紹介くださった授業は,「受け身」を扱った研究授業でした。その授業の以前に,すでに文法項目並びに教科書の説明は終わっていたので,「Speakingで受け身が使えるようになること」が今回扱った授業の目標となっていました。
では,以下に大まかな授業(対象:中2)の流れと,指導過程ごとの簡単な説明を書かせていただきます。
あいさつ 2分

前回の授業の復習 10分

ここではOral IntroductionならぬOral Reviewを行っていました。教科書の内容をPicture Cardなどを使って,声に出して復習するのです。教師は自分で説明するのではなく,あくまでも質問を繰り返すことに徹底します。
言語活動 22分

最初にクイズ形式で受け身の文を反復させていました。例えば,Are tigers seen in Africa? のような質問を10個ほど用意し,それをペアで練習,先生とクラスで練習ということを行っていくのです。
さらに本文がダイアローグ形式だったので,ペアを組んでクラスの前で発表も行っていました。その時にただ漫然と暗唱するのではなく,身振り手振りをつけることの指導を忘れてはいけません。
まとめ 10分

最後に受け身の文を必ず1回は使うようにして,教科書の本文について感想を英語で書いてもらいます。
あいさつ 1分
先生が授業で工夫されていたことは,さまざまな方法で「反復」をさせることです。何かを覚えるときに,繰り返すという行為を避けて通ることはできません。そのときに大事になるのが,どのようにして生徒により多く反復させることができるかです。谷口先生にとって最終目標は「自分のことばでre-tellingができる」ことだと仰っていました。授業はその架け橋になればいいということです。
学会に参加して,現場の先生方のお話を聞くことは大変勉強になります。機会があれば今後とも積極的に学会に足を運んでいきたいと思います。(persimmon柿生)