常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

JACETテスト研究会サマーワークショップ感想

田邉先生に紹介していただいたtestingのワークショップに参加してきました。その内容と感想について少し書きたいと思います。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100828/1282957365
今回のテーマは高校でのリスニング&ライティングの評価です。
testingは専修大学に専門家の片桐先生がいらっしゃいますが,これまで自身ではあまり触れてこなかった分野であったので,とても新鮮でした。中でも印象的だったのは,一見“普通に”作られたようなテストでもtestingの理論の枠組みに当てはめると様々な問題点が生じるということです。例を2つほど紹介しますと,以下のようなものがありました。
1. Which of the following is NOT mentioned as a reason for against school uniforms?という問題文では,NOTとagainstで二重否定(double negative)になり問題文が複雑になるために,listening の理解度(comprehension)を測るテストに組み込む場合は避けるかあるいは配慮が必要になる。
2. dictationなどで空所を設ける場合,文の先頭に置くと,準備(warm-up)が出来ない上に,文脈もないので,これは避けた方がよい。
また,ワークショップの構成は,最初の講義でtestingに関する基本的な概念と理論を押さえ,それらを踏まえて,午前にlistening,午後はwritingについて,模擬授業→テストの受講→テストについてのdiscussionというようになっていました。理論と実践のバランスがとれた参加型の有意義なワークショップで,教育現場へ行く前に受講して正解でした。(院生 小山本)