常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Beckham is determined to fight on(解答)

大変遅くなって申し訳ございません。ご指名質問に挑戦させていただきます。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20100813/1281684678
Defiant David Beckham
「感情をあらわにしたベッカム
defiantは「反抗的な,挑戦的な」という意味です(『オーレックス英和辞典』旺文社)。
「反撃に出たベッカム」あたりも可能でしょうか。
vowed never to give up on an England place
イングランド代表の座を決してあきらめないと宣言した」
give up onは「…を見限る,…に愛想を尽かす」という意味で,自分からgive upする際に使われます(『同上』)。そして,ここでのplaceは「〈…にとって〉本来の場所,あるべき位置,適当な場所」の意味で使われています(『同上』)。give up 〜とgive up on~の微妙な区別は以前,先生が扱われていました。ベッカムにとってのあるべき場所とは,もちろんイングランド代表ですよね。
"I'll play as long as I'm fit."
「体が動く(言うことをきく)限り,私はプレーします」
fitには「元気いっぱいで,健康で,(運動選手などが)上々のコンディションで」という意味があります(『同上』)。
Fabio Capello's humiliating snub
「ファビオ・カッペロ監督の屈辱的なあしらい」
Fabio Capelloはサッカーイングランド代表の監督です。humiliatingは「恥をかかせる,屈辱的な,不面目な」という意味で,snubは名詞で「軽蔑的な扱い,冷遇,ひじ鉄砲,無視」となります(『同上』)。
flatly rejected Capello's patronising offer of a farewell appearance.
「(ベッカムは)カッペロ監督のまるで人をおちょくっているようなお別れサッカーへのオファーをにべもなく拒否した」
flatly refusedで「にべもなく拒否する」という例文があったので,使わせていただきました。「にべもない」は愛想のない,取り付く島のないという意味です(大辞泉 増補・新装版)。「きっぱりと」という訳も合うと思います。patronizingは「人を見下した,人を小馬鹿にした」となります(『オーレックス英和辞典』旺文社)。
effectively announced the end of his international career
「(カッペロ監督が)事実上(ベッカムの代表選手としての経歴に)終止符を打った」
ここでのeffectivelyは「事実上,実際のところ」という意味で捉えられます(『同上』)。上記の訳は,前後文脈から意訳させていただきました。
"We feel he's been treated shabbily.
ベッカム選手が差別されているように思える」
shabbyは「けちくさい,卑劣な,不当な」という意味で,shabby treatment「不当な扱い」という用例がありました(『同上』)。
win his place in the team on merit
「実力でレギュラーを勝ち取る」
placeは以前説明したように「〈…にとって〉本来の場所,あるべき位置,適当な場所」という意味(『同上』)で,ここでは自分のポジション(レギュラー)の事を指します。meritには「長所,功績,真価」などの意味があり,judge a proposal on its merits「(私情をはさまず)提案をその真価で判断する」という用例がありました(『同上』)。そこから,「実力で」と訳させていただきます。
He loves his football and his country far too much to give up now."
「彼(ベッカム)はサッカーを,そしてイングランドをとても愛しているから,今諦められるはずがない」ここではtoo…to〜構文の訳に注意ですね。
when he said of Becks on ITV
「彼(カッペロ監督)がベッカムについて民間放送で触れた際に…」
ここでのofは「…について,…に関して」という意味で使われています(『同上』)。aboutやonよりも間接度の度合いが低い感じです。Becksはベッカムの愛称です(英辞郎on the WEB)。ITVはIndependent Televisionの略でBBCの子会社。「商業(民間)テレビ(局)」とあります。ちなみにアメリカではinstruction televisionを指し,教育用テレビの事です(『オーレックス英和辞典』旺文社)。
He will always be available for his country when fit and if needed he will be there."
「彼(ベッカム)はいつもイングランドのために万全の準備をして,コンディションがよくかつ召集がかかれば飛んでいくことだろうよ」
be availableは「いつでも使える」という意味で,近くにfit「元気いっぱいで,健康で,(運動選手などが)上々のコンディションで」があるので(『同上』),上のように訳してみました。
"You'd think a phone call was appropriate."
「(こういうことは)電話一本ですむ話しではない。」
You’dのwouldが仮定法だということに注意しましょう。
"I wouldn't write him off just yet."
「まだベッカムが使えないと判断するにはいたらない」
write offは口語で「…を役に立たないと判断する,…を〈失敗者[失敗作]〉とみなす,支払いを無効にする」となります(『同上』)。
"I'm sure he can come back a stronger player."
ベッカムは必ずさらに良いプレーヤーになって帰ってくるよ」
(ゼミ生persimmon柿生)