常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Persimmon柿生講座#1「harrow」

TIME(06/27/10付け)のLiving in Limboという記事から英語表現を紹介していきます。

日本には馴染みのない話しかも知れませんが,世界にはいまだに数えきれないほどの亡命希望者がいます。その理由は様々ですが,主に挙げられるのは1)自国の政治下では生きていけない。2)出稼ぎしたいが出国するためのお金もない,です。今回TIMEはある一人の男性(Sayed氏)を追うことにより,“亡命”についてフューチャーしました。以下の英文では,Sayed氏の生活の一部が痛烈に描かれています。

Two months later, Sayed escaped and walked two harrowing days to get home, only to find that his wife had miscarried and his father had died of a heart attack.

今回は,harrowingに注目していきます。『オーレックス英和辞典』(旺文社)によるとharrowは「…の気持ちを傷つける,苦しめる」という意味です。そして「まぐわ,ハロー」という意味も付属してあります。まぐわ・ハローとは,馬やトラクターに引かせて土地を耕す農具のことです(『オーレックス英和辞典』同上)。今もそうですが,昔は特に馬は労働力として使われていました。これは推測の域を出ませんが,馬は強制的に傷つきながら働かされていたので,harrowに前者の意味が生まれたのだと考えられます。

以上からharrowingに,「自分ではどうすることも出来ない苦しみにさらされ,ぶつけようのない怒りと苦しみに打ちひしがれる」いうニュアンスが感じられます。

最近記事を毎日書いているからか,readingに対する観点が変わってきました。一歩ずつでありますが頑張っていきたいと思った今日この頃でした。(ゼミ生persimmon柿生)