常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

cold turkey 復習

 Asahi Weeklyのある記事に気になるフレーズが掲載されていました。 
 
 I went into the TOEIC test cold.

 この “cold” を「冷たく、寒く」と訳すと意味が通らないため、『ジーニアス英和辞典第5版』(大修館) で引いてみると、“cold” 副詞的用法で「急に、突然、ぶっつけで」といった意味を伴うとありました。またこの表現は “cold turkey“ というフレーズが語源とされていることがわかりました。

 ”cold turkey“ を直訳すると「冷たい七面鳥」となりますがより調べてみるとこのフレーズは、薬物などの依存習慣を急に断ち切ることによって起こる特有の鳥肌の様子を指した事が元であるとわかりました。ある麻薬中毒患者の禁断症状時の反応が鳥肌が異常に立ったというものでした。それを医者が「冷凍の七面鳥 (調理する前の七面鳥) の様に生きている感じがしない」と言ったそうです。つまり、悪習慣を断つ際に咄嗟に出る身体的症状の様に突然で即座である事柄を指す場合に、 ”cold turkey“ が使われるようになったと推察できます。

 またアメリカではパーティーや季節事のお祝い事 (感謝祭、クリスマス、イースターetc.) で必ずターキーが出ますが、ターキーは量が多く食べきるまでにパーティーが終わってしまうことも少なくないそうです。つまり、ターキーを食べ残したまま物事が終わってしまう様に突然で、即座である様子を指すフレーズとして ”cold turkey“ (ターキーが食べ残り冷えきってしまう) が用いられるという説もあるとわかりました。(Happidra)