常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

bring into relief

 文化庁が実施した「国語に関する世論調査」の結果を受け, 世代間の「ことばの壁」をどう低くするかが大きな課題となっています。

Bridge verbal divide among generations to pass on Japanese language

How should the language barriers between generations be lowered? The government’s latest survey has brought a difficult problem into relief.

以下省略

http://the-japan-news.com/news/article/0003964054

 気になった表現は bring into relief / brɪŋ ɪntə rɪliːf / です。 “relief” といえば, 「(苦痛などの)軽減」や「安堵」を示す語として認識していましたが, 本文では異なる意義で用いられています。『リーダーズ英和中辞典』(研究社)で確認したところ, 「目立たせる」とありました。 “bring” は “throw” に置き換えが可能です。ここで, いま一度 “relief” について調べると, 上記のほか「際立つこと」「(他との対照による)強調」を指すことがわかりました。
 The Free Dictionary.comには “[for something] to make something plainly evident or clearly visible” と定義され, “The red vase was thrown into sharp relief against the black background.” という例が挙げられています。
 先日の「編集手帳」(読売新聞9月22日付) には, 流行語や新語の意味がわからなくて困るという人が, 6年前に比べ15%増の55%に上るという同調査結果が記され, またその一因としてネットメディアの発達が指摘されていました。ネット社会は利便性が高まる一方で, 正しい日本語を使うよう, 一層心掛けたいと思いました。(Cayu)

a collective sense of relief - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から
breathe a sigh of relief - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から