常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

nihilism

元俳優の根津甚八さんが,29日に肺炎で亡くなりました。

http://www.news24.jp/sp/articles/2016/12/29/08350338.html

このニュースをテレビで見ていたときに,「(根津さんは)ニヒルな演技(で定評だった)」という言葉を聞きましたが,「ニヒル」がどういう意味なのかわからなかったので,今回はそれを取り上げます。

「ニヒル」“nihil”を『グランドコンサイス英和辞典』(三省堂)で調べてみると,ラテン語で「虚無,無」を意味するとわかりました。その語から派生して,“nihilism”や“nihilistic”といった語が英語として使われるようになったと考えられます。ちなみに“nihilism”をLDOCEで確認すると,“the belief that nothing has any meaning or value”と定義されていました。日本語では「ニヒリズム」と使われますが,英語では/ˈnaɪəlɪzəm/と発音されるので,この違いにも注意したいです。

最後に「コトバンク」で意味を調べると,「冷たく醒めていて,暗い影のあるさま」とありました。ほかの記事では,「ニヒル」以外にも「陰のある(二枚目役)」などの言葉で報じられているのが確認できました。(ninetails)

http://www.asahi.com/articles/ASJDY5FX7JDYUCLV004.html