常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

concrete pen 復習

井の頭自然文化園で飼育されている象の「はな子」が26日の午後に亡くなりました。

Hanako the elephant, named in petition drive, dies in Tokyo zoo

An elderly elephant that set off a petition drive to move her out of her concrete pen in a small zoo in Japan has died.

Hanako, or "flower child," was a gift from the Thai government in 1949 and lived in Inokashira Park Zoo in Tokyo since she was 2. She was Japan's oldest elephant, and her life of 69 years was long for captive Asian elephants.
Zoo spokesman Naoya Ohashi said Hanako was discovered lying on her side Thursday morning and repeated efforts to raise her upright were not successful. She died peacefully in the afternoon. He said an autopsy would be done to determine the cause.
The petition drive had sought Hanako's move to a Thai sanctuary, but the zoo said she was too old to move.

http://www.asahi.com/ajw/articles/AJ201605260073.html

今回取り上げるのはconcrete penです。

まず、penについてLDOCEで調べると” a small piece of land enclosed by a fence to keep farm animals in”と、お馴染みの文房具以外の定義がありました。

ジーニアス英和辞典』(第五版、大修館書店)で「(家畜などを入れる小さな)おり、囲い;(集合的に)おりの中の動物」と確認できました。

よってconcrete penで「コンクリートの檻」となります。

なぜ、「コンクリートの檻から出す著名運動」とあるのか気になり、はな子について調べてみました。
はな子は1949年にタイから上野動物公園に贈られ、1954年に井の頭自然文化園に移動しました。
その後、六年の間に泥酔して像舎に入り込んだ人と飼育員の男性二人を踏み殺してしまい、「殺人ゾウ」と呼ばれ、2か月以上も鎖につながれ、象舎に閉じ込められてしまいす。
はな子はそのストレスで、やせ細り、歯も抜け落ちてしまいましたが、飼育員の山川さんに出会ったことで、次第に心を開いていきます。
しかし、30年経ち山川さんが退職した後、はな子は獣医師を突き飛ばし、軽傷を負わせてしまいます。これを機に今までとは異なる、間接的に檻の中から世話をする方法に変わってしまったのです。
そして、その様子を見た海外のブロガーが取り上げ、海外では「はな子を保護区域か、仲間のいる施設に移そう」という署名活動が起こったということです。

井の頭自然文化園での飼育方法は檻を通しての世話となってしまいましたが、歯が少ないはな子のために食べやすい食べ物を用意するなどの工夫をしていたそうです。

69年間という長い間、様々な出来事を潜り抜けてきたはな子は、動物と人間との関係について深く考えさせられるきっかけとなったと思います。(flyingbird)

pen - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から