常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

“Little Boy” 復習

アメリカ国立公文書記録管理局が発表したところによると、1956年、当時冷戦中であったアメリカは東ベルリンやモスクワ、北京などの主要都市に核爆弾を落とす計画を立てていたことが明らかになったそうです。

The primary aim of the U.S. plan was eliminating Soviet Union air power -- which was regarded as key in the event of the Soviets attempting to deploy their own nuclear weapons, since today's long-range missiles and submarine launchers didn't yet exist.

There were plans to follow that up with a series of "final blows" delivered by atomic bombs eight times the yield of the "Little Boy" bomb that destroyed Japan's Hiroshima -- much larger than necessary to destroy specific targets, suggesting that collateral damage was an aim.

http://edition.cnn.com/2015/12/23/politics/cold-war-u-s-nuclear-target-list/index.html

取り上げる表現は“Little Boy”です。
もちろん「小さい男の子」ではありません。記事を読むと、これが広島に投下された原子爆弾のことを意味していることが分かります。

インターネットで確認してみると、「リトルボーイ(英:Little Boy)は、第二次世界大戦においてアメリカ軍が広島市に投下した原子爆弾のニックネームである」(Wikipedia)との記述がありました。以前、米軍が様々な兵器にニックネームを付けるということに驚いた記憶がありますが、恥ずかしながら日本に落とされた原子爆弾にも名前が付けられていたとは知りませんでした。

この名前の由来ですが、もともとは長細い形をしていたので“Thin Man”と呼ばれていたそうですが、開発が進むうちに最初よりも長さが短くなったために“Little Boy”と呼ばれるようになったのだそうです。決して使うべきではなかった「悪魔の火」にこんな可愛い名前を与えること自体,感覚が麻痺していたと言ってもよいでしょう。

ちなみに長崎に投下された爆弾は広島のものより大きく、形も太かったため“Fat Man”というニックネームが付けられています。(bookmark)