常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

Trump Vader 回答

Inahoさん,ご指名有難うございます。UG先生,ゼミ生の面々に多大な苦労をお掛けしたにもかかわらず,ブログの投稿が滞ってしまいました。申し訳ありません。自分としても,情けない限りであります。

http://d.hatena.ne.jp/A30/20151216/1450258409

さて,一段落目にあるHow many Trump supporters does it take to change a light bulb?という表現は,インターネットで調べたところによりますと,1960年から1970年にかけてアメリカで流行したPolish jokeのもじりです。これは,ジョークのバリエーションの1つです。特にポーランド人の知性を揶揄するために用いられていました。このジョークは,「電球1本取り換えるのに,ポーランド人が何人必要か」などの問いと,「3人」などの具体的な答えと,それを証明する理由の3点で成り立ちます。この場合は,トランプ氏支持者を皮肉っており,「電球1本取り換えるのに,トランプ氏の支持者は何人必要か」という問いになります。その答えは「分からない」というものです。理由は大きく2つ考えられます。1つは「彼らは公に出ることを嫌うから」,2つは「彼らは今ヒューズを取り付けているからだ」ということでした。問題になるのは2つ目の理由の方であります。refuseはこの場合はre-とfuseに分解でき,re-は「再び」,fuseは「ヒューズを取り付ける」と解釈できます。つまり,「電球を取り換える以前にヒューズを取り付けなければならないから」ということです。それで「分からない」という解になっているというわけです。この記事で扱われているジョークは,トランプ氏支持者に対し,「あなた方は,トランプ氏について何も知らないのか」と訴えかけているように読み取れます。(Kawada)