常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

impertinence

名探偵ポワロ」の「ジョニーウェイバリー誘拐事件」という話より表現を拾います。ポワロが依頼に来たウェイバリー氏と話し合っているシーンです。
ウェイバリー氏はまず、「息子を守りたければ5万ポンドよこせ」と書かれた脅迫の文章をポワロに見せました。ポワロは声に出して読み、内容を理解していました。その後、「5万ポンドですか」と聞くポワロに対しウェイバリー氏はDamned impertinence.と言いました。さて、私はこのimpertinenceに注目いたしました。さて、これは一体どういう意味でしょうか。
『オーレックス英和辞典』第2版(旺文社)には「⦅堅⦆不適切、見当違い(の言動)、無関係のこと」とありました。LDOCE5には、形容詞のimpertinentの定義で“rude and not respectful, especially to someone who is older or more important”とあり、この名詞形がimpertinenceということでした。「法外極まりない額ですよ」という感じでしょうか。ちなみに『英語語源辞典』(研究社)によりますと、imは「無、不」を表し、pertinenceは「適当(であること)」という意味であるそうです。(Kawada)