常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

What's the catch?

Daniel Keyes作、Flowers for Algernon(1966)から表現を拾います。
邦題『アルジャーノンに花束を』は今年の5月にTBSでドラマ化され、日本でも有名になった一作です。知的障がいを持つCharlieは笑顔を振りまく純粋な青年でした。そんなCharlieがある日、動物実験で成功したという知能が上がる脳手術を受けることになりました。それにより、今まで知らなかった過去の出来事や本当はいじめられているという現実を理解してしまうと同時にCharlieの心優しい性格も変わってしまい、Charlieを苦悩の日々へと追い込んでいくのです…。

取り上げる表現の場面ですが、手術を終えて元の職場に戻ったCharlieはそれまでできるはずもなかった複雑な機械を使いこなします。以下に出てくる職場の主人は手術のことを知りません。
“Then he(職場の主人) said this must be some kind of April fools joke you guys are playing on me. Whats the catch”. (障がいのあるCharlieが書いたという設定のため、句読点が脱落しています)

ここの”What’s the catch”です。”catch”には”a hidden problem or difficulty”(LDOCE)という意味があり、『ジーニアス英和辞典第4版(大修館書店)』によると、”What’s〔Where’s〕 the catch?”で「狙いはなんだ、どのような裏があるんだ」《あまりにも好条件の申し出があった時などに使う言葉》だそうです。
疑問文だった場合の答え方としては”There’s no catch”.や”No catch”.などがあるようです。

辞書を引いてみるとすでに一度学んだ表現でしたが、今一度文脈と共に覚えることができました。まだ簡単な小説しか読めていませんが、少しずつ難易度を上げていければと思います。(bookmark)