常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

wild day

 UG先生ご指名ありがとうございます。"wild day"が業界用語なのかはわかりませんでした。ここでは,「相場が荒々しい日,乱れた日」などという意味になると思います。"wild"の語源は「森林(weald)」とあり,「野生の,未開の」などという訳がありますが,金融市場では色々な動物に関する単語が比喩的に用いられております。野生動物の荒々しさを市場にも見出しているのかもしれません。よく知られているものでは,市場が上向きの状態を"bullish"と表現しますが,これは雄牛が角を上に振り上げていることからきております。反対に市場が下向きの時は,"bearish"という表現になります。これはクマが攻撃を行う時に腕を下に振り下げている様子に由来するようです。
 その他にも"black swan"は「マーケット(市場)において、事前にほとんど予想できず、起きた時の衝撃が大きい事象のこと」を言います(ブラック・スワンとは|金融経済用語集)。ODの例文にも"Options provide the right to buy a stock at a prearranged price in the future, presumably helping to protect buyers from black swans"が紹介されております。さらに,イノシシ,鶏,鹿などなど初めて聞くような比喩を紹介しているサイトもありました(http://ja.god21.net/Square/LearningCenter/jumoney/ViewBody/36284)。調べてみると他にもあるかもしれないですね。
 本日の東証も一時期は回復していましたが,結局は700円以上安値がつきました。相場が常に変化し,予想外な変動をする金融市場は,野生動物が生きる世界のように考えられているのかもしれません。(Ume)