常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

hanger-on

前々から録画してあった「眉山」(原作: さだまさし)という映画を見ておりましたら、「腰巾着」という語が出てまいりました。その語を同英語でいかに表現するか、気になった次第です。

調べてみると、follower, hanger-onという言い回しが出てきました。会話ではこのあたりで通じそうですが,和英辞書にはあきらかに堅いobsequiousという語もありました。『アンカーコズミカ英和辞典』(学研教育出版)には「[通例軽べつして](.…に)こびへつらう、卑屈な(to)」(--“very eager to please or agree with people who are powerful―used in order to show disapproval” LDOCE5)とありました。定義を見てみても、「弱虫」というニュアンスが伝わってまいります。因みに、LDOCE5の用例にはan obsequious smileとありました。
『英語語源辞典』(研究社)で英語史の観点から追ってみますと、1475年から「従順な、忠実な」、1593年から1674年に「哀悼[追悼]の、葬送の」という意味が起こり、1602年に「媚びへつらう、追従的な」という意味が起こり、今に至るそうです。ob-は「…の方へ」、sequiousは「ついていく」という意味です。(Kawada)