常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

広島大学英語教育学会のお知らせ

時下、ますますご清祥のこととお慶び申し上げます。
下記のとおり、今年度の研究発表大会・総会を開催いたしますので、多数ご参集くださいますようご案内申し上げます。

広島大学英語教育学会 会長  三浦省五

1. 主催: 広島大学英語教育学会
2. 日時: 2015年8月8日(土)12時〜18時
※なお、同日12時から小会議室にて第2回運営委員会を開催します。
※翌9日(日)には広島大学英語文化教育学会が開催されます。
3. 場所: 広島大学教育学部 K203号室(東広島市鏡山一丁目1番1号)
・東広島キャンパスまでのアクセス
http://www.hiroshima-u.ac.jp/top/access/higashihiroshima/
・キャンパスマップ
http://www.hiroshima-u.ac.jp/add_html/access/ja/saijyo2.html

4. 参加費:会員無料・非会員 1,000円

5. プログラム概要:
(12:00-13:00:運営委員会)
12:00-13:00:受付
13:00-13:30:開会行事・総会
13:40-14:10:研究発表
14:15-14:45:研究発表
14:50-15:20:研究発表
15:25-15:50:研究奨励金受給研究報告
16:00-18:00:特別講演
18:00-18:15:閉会行事
18:30-20:30:懇親会:ラ・ボエーム広島大学学士会館1F)
(会費:3,500円)

6. 特別講演:
  「プレゼン力を育てる英語教育」松畑煕一先生(中国学園大学学長・中国短期大学学長)
現代は、価値観が多様化し、個人重視・実力重視の時代であり、何かを実現するため、自ら働きかけていく、プロモートしていく時代、いわば「プレゼンの時代」が到来していると言えます。
教育活動全体において、自分なりのプレゼンスタイルを創る必要性が高まっています。そのような中にあって、英語教育においても、コミュニケーション力の重要なコア能力とも言える「プレゼン力」を育てることが急務です。
「プレゼンテーション」は、スピーチやディベートも包含した大きな概念で、自分のアイデアを提示し、相互交流を通して同意へと導き、望ましい結論を目指して討議し、自分の考えと相手の考えを融合させて、新たな価値を提案する総合的活動です。
そのようなプレゼン力を英語教育においていかに育成していくべきかを考え、いくつかの提案をします。

7. 研究発表・実践報告要旨:
研究発表
「Audio-Visual Language Journal の盛衰―36-53年後の回顧から新研究への展望」
山田純(広島大学大学院総合科学研究科)
言語学習において視覚情報は、これまで考えられていた以上に重要であることが諸研究で示唆されている。一方、Audio-Visual Language Journal は視覚情報の重要性を直観的に認識していたと解釈できるが、わずか17年でその誌名は消失した。本発表では、約50年後という有利な視座からAVLJを回顧し、脳生理学にかかわる心理言語学の新知見から、視覚言語情報(viseme & gesture)と聴覚言語(speech)の統合、さらには視覚情報(images)と書きことば(written text)の統合、書きことばのみの場合の映像的補助について展開研究の可能性を展望する。

研究発表
「アソシエーション分析による語連想データの分析事例」
杉野直樹(立命館大学)・Simon FRASER(広島大学)・青谷法子(東海学園大学)・
荘島宏二郎(大学入試センター)・古賀友也(明治学院大学
学習者が持つ英語語彙知識の一部を記述することを目的として行っている研究の途中経過を報告する。言語使用者・学習者が持つ語彙知識は相互に要素が関連づけられたネットワーク構造を持つとされ、近年、その実証的把握を目的として、ネットワーク理論を応用した研究が進められている。一方、語連想課題については、語彙知識の構造に関する知見を得るための手段として期待されているが、必ずしも一貫した結果は得られていない上、どのような種類の語が連想されるか、といった点に焦点があてられており、語彙知識の構造自体の解明には至っていない。本発表では、語連想課題によって得られたデータに対しアソシエーション分析を行うことで相関ルールを抽出し、抽出された相関ルールに基づいて学習者が持つ語彙知識のネットワークを可視化した結果を提示する。

研究発表
「小学校段階での英語音韻認識指導 ― その意義と指導可能性 ―」
池田 周(愛知県立大学
リテラシー発達に必要な音韻認識のレベルは言語によって異なる。日本語母語話者が、文字と音の対応の規則性が低い英語のリテラシーを獲得するには、音節レベルに加え、音節内構造、および音韻レベルの認識の発達も必要となる。本発表では、まず、(1) 英語リテラシー習得のために音韻認識(phonological awareness)を高める意義を論じ、(2) 日本語を母語とする学習者がどのレベルの音韻認識を発達させることが必要かを考察し、(3) 音韻認識を文字や初期読み(early reading)と関連づけた指導の小学校「外国語活動」への導入可能性について、実証研究結果を報告する。さらに、(4) 小学校3〜6年生の音韻認識の発達度合いに関する調査結果も考察する。概して、児童は一定の音韻認識を発達させていたが、それは英語リテラシー習得に十分なレベルではなかった。また指導により児童の音韻認識と初期読み能力に向上が見られたが、音韻処理には日本語の音韻構造の影響と考えられる特徴もうかがえた。

研究奨励金受給研究報告
「ディクテーションによるリスニング不安の変容」
山内優佳(広島大学教育学研究科博士課程後期)
本発表は,奨励金受給発表(2014年8月開催,全国英語教育学会 第40回 徳島研究大会)を報告するものである。
本研究の目的はリスニング指導により学習者の不安がどのように変容するのかを明らかにすることである。教養科目の英語授業を受講する大学2〜4年生22名を対象に,授業期間前後における不安の度合いの変化を調査した。授業内容はディクテーション活動を重点的に取り入れたものであった。調査の結果,ディクテーション問題への取り組みにより不安が低くなると予想された不安要因3つのうち,2つ(「学習場面におけるリスニング」と「ボトムアップ処理」)に対する不安の軽減が確認された。

8. 参加申込
7月31日(金)まで、下記URLにて参加申込を受け付けています。

http://goo.gl/forms/1Iav2N5Zgb

以上、よろしくお願い申し上げます。


広島大学英語教育学会事務局 杉野直樹