常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

JACET関東支部月例会 感想

本日、早稲田大学で行われた研究例会に参加させていただきました。テーマは「日本人英語学習者が目指すべきスピーキング能力は何か」で、早稲田大学のS先生が発表してくださいました。

例会は、S先生が行って来られた研究の詳細やその結果を発表するという形で進み、大変興味の引かれる内容でした。まず学生が先生方によく尋ねる「どうしたら英語がぺらぺらになれるか。」という質問に対し、「ぺらぺら」の定義をなされた上で、「ネイティブスピーカーと同等に英語を喋ることは不可能であるが、ネイティブスピーカーに近づくことは可能である。」と仰っていました。

以前、ゼミでも同じことをUG先生から教えていただきました。このような結果に辿りつくまでにS先生がどのような調査をなされたのかというと、様々なレベルの日本人英語学習者に、まず8枚の絵を見せて それを英語で説明してもらい、その内容をネイティブスピーカーの方々に、聞き取りやすさとわかりやすさのふたつの点において採点してもらうという形で進められたそうで、120人の被験者のうちネイティブスピーカーと同等レベルのスピーキングができた日本人はいなかったそうです。しかし、ネイティブスピーカーに近いスピーキングができた日本人はいたことから、この調査によって日本人英語学習者はネイティブスピーカーに近づくというのが限界だとわかったのです。

また、この調査で採点を行ったネイティブスピーカーの方々は聞き取りやすさとわかりやすさのふたつの点でそれぞれ何を重視して採点していたのかをS先生が調査されたところ、わかりやすさに関しては様々な面から平均的に考慮していたようですが聞き取りやすさに関しては“Segmentals”を最も重要視していたようです。つまり、 “Segmentals”を学ぶのが一番英語を学ぶ上で効率的だという、大変有益なことを教えていただきました。

さらに、S先生は英語を学ぶ上で大切なことも紹介してくださいました。その中でも、ふたつ印象的だったものがあります。ひとつ目は「簡単な単語を正しく使えるように」という点です。現在、新しい英単語を覚えようと努めていますが、覚えた単語を正しく使うということに関しては、私はほとんど出来ていないと思います。UG先生も日頃から仰っていますが、やはりアウトプットが大切だということを改めて学び、簡単な単語から正しく使えるようにゼミ生同士で会話する機会などでこれからはもっと出していこうと思います。

ふたつ目は「英文を読むとき、速く発音する語とはっきり強く発音する語をきちんと把握する」という点です。S先生の生徒はこれがとても効果的であったと聞いて、発音練習のひとつとして使っているアメリカ口語教本を音読するときには、私もこれからもっと気をつけたいと思いました。

本日参加させていただいた研究例会でネイティブスピーカーに近づくには、発音を勉強することがとても大切であるとわかりました。最近は文法書や単語帳ばかりでアメリカ口語教本での音声学習が以前と比べて少なくなってしまっていたので、これからは以前よりも真摯に取り組んでいきたいと思います。

研究発表をしてくださったS先生、研究例会に参加する機会を与えてくださったUG先生に感謝申し上げます。(Four)