常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

小学校英語教育学会 感想

先日7月26日から27日、関東学院大学金沢八景キャンパスにて小学校英語教育学会が二日かけて行われ、私も今大会の一日目に参加させていただきました。全国大会ということもあって大勢の方がいらっしゃり、研究発表では一時座席が足りなくなって立ったまま発表を聴くこともありました。
発表は朝から夕方まで一日かけて行われ、午前中は開会行事のあと課題研究発表と授業研究発表。昼食休憩中には英語教材に携わる企業の方がプレゼンをしてくださり、午後は自由研究発表のあと榎本先生による講演が行われるという、とても中身の詰まったものでした。
課題研究発表は四つの発表がそれぞれ同時刻に行われるもので、今回は吉田先生方による「中学入門期における音声を基軸とした教材費開発」をテーマにした発表を聴かせていただきました。こちらの研究では現在の小学校・中学校・高等学校での英語音声指導における音の基本や音節に関する内容不足を指摘しており、小学校段階で基本的な音声指導をすることが大切だということでした(実際に、私が小学校・中学校・高等学校で英語を勉強する際には、あまり音声に関する指導は受けていないと記憶しています)。そこで、小学校段階にどういった音声指導をするのが良いのかというと、英語のリズム感と抑揚を効率よく学ぶために、うた遊びや絵本で英語音声に慣れると良いということです。うた遊びや絵本は小学生も興味を持ちやすいと思いますし、何より生徒達が楽しんで習得することができると思うのでとてもいいなと思いました。
次に行われた、授業研究発表では、新海先生が実際に小学校で行っている授業の様子を動画で見せていただきました。生徒に発言させるなどの活動的な内容が多くて、何度も口に出すことで英語表現も覚えやすいだろうと思いますし、生徒自身も楽しいと思いますので英語を「好き」につなげる良いきっかけになると思いました。
午後は、自由研究発表があり、これもまた午前に行われた発表と同じような形式で、8つの会場でそれぞれ同時刻に行われるものでした。今回は猪井先生と、武田先生と、西崎先生の発表を聴かせていただきました。中でも印象的だったのは、西崎先生の「新しいことばの創造と受容を通して日本語と外国語を考える指導を」テーマにした研究発表で、主に外国語がどのように日本に入ってきたかということをお話してくださいました。江戸時代、漂流者はたくさんいましたが、帰国するにも処罰されてしまうため帰れなかったということを知り、その後のジョン万次郎などの活躍を考えると、そこで一度外国との交流の可能性を潰してしまっていたんだと思い惜しい気持ちになります。また、日本に英語の発音がそのまま反映されて日本語となったカタカナ英語のように、日本語も一部の外国で、そのままの発音で反映されたものが残っていると知りました。この発表でたくさん学んだことはありましたが、時間が足りなかったようなので、また詳しくお聴きしたいと思いました。
 最後に、榎本先生による「グローバル人材育成と英語教育」をテーマにした講演をしていただきました。中でも「きっちりしなければ大学はただのレジャーランドになってしまう。」というお言葉は胸に刺さりました。大学に合格することをゴールにしてしまっていてはだめで、そのあとも勉強することが大切だということを改めて思いました。
 今大会で発表してくださった先生方の、教師という人に教える立場になっても日々の研究を怠らない姿にとても感銘を受けました。また、たくさんの先生方の発表を聴いて、自分がちっぽけであることに気づき、私ももっと大きくなろう、頑張ろうと思いました。(Five)