常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

シンポジウムに参加して

 先日(11月30日)、シンポジウム「国際社会と向かい合う法学部」(明治学院大学)に参加して参りました。シンポジウムでは、基調講演、映画字幕翻訳家の戸田奈津子さんのお話をうかがいました。そこで感じたことを述べます。私はシンポジウムに参加して、夢、教養、字幕について、考えるところがございました。

 まず、戸田さんのお話の中で夢を持ち続ける大切さを学びました。スターウォーズをつくったジョージ・ルーカスは「スターウォーズ」の話の流れをティーンエージャーで考え、この話を世の中の人にみせたいという思いを原動力としてCGに挑んだそうです。また戸田さん自身も学生時代に映画字幕翻訳家を志し、夢を叶えたのは、40代であったそうです。このお話から、夢を叶えることは簡単ではないということを感じると同時に、夢を持ち続け挑戦していくことが大切だと思いました。

 次に教養についてです。戸田さんのお話の中で、映画字幕翻訳家として英語ができることは大前提で、さらに求められることは日本語の豊かであるというお話が印象に残りました。人々が2.3秒で読み切れる、理解できる字幕にするためには、日本語が勝負であり、戸田さんは本をたくさんお読みになったそうです。現代は情報にあふれていますが、情報と教養は別であり、活字を読み考えること、頭を使うことで教養を身につけていくことが重要であるというお話から、英語を仕事にする、英語を極めるためには、日本語が大切であることを再認識しました。それと同時にUG先生が4月の合宿でおっしゃっていた「本を読みなさい」というお話を思い出しました。私も電車の中で本を読もうと決めて取り組んでいますが、まだまだ足りていないと感じ、学生時代にできるだけ本を読み教養を身につけたいと改めて思いました。

 最後に字幕についてです。今回私は、日本のように字幕で映画をみる国は珍しいということをはじめて知りました。世界では、吹き替えを使用している国が多いそうです。日本で字幕が普及した理由は、あの俳優の声をそのまま聞きたいと思ったから、日本の識字率が高かったからであるとうかがいました。また戸田さんは日本の識字率の高さは誇るべきこと、しかし最近字幕を嫌がる若者が増えていることが悲しいとおっしゃっていました。私も小学生のころ、字幕映画で初めて俳優の生の声、英語を聞いて興奮したこと、あの英語が自分で分かるようになったら嬉しいと思ったことを思い出しました。字幕という日本の一つの文化の素晴らしさを感じるとともに、日本の子どもたちが字幕で映画を楽しめるように、日本語をしっかり教えなければいけない、英語と日本語両方学ぶことが重要だと感じました。

 今回のシンポジウムで学ぶことが数多くございました。UG先生にブログでこのような機会を教えて頂いたことに感謝するとともに、卒業まで講演会等にできるだけ参加したいと思います。(Mazdaspeed)