常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

教育実習報告#9

教育実習を終えて

6月3日から6月21日までの3週間、母校の公立高校で教育実習をさせていただきました。2年生の英語�の授業を3クラス、研究授業を含め全部で計29時間の授業を行いました。生徒は本当に素直で私の授業も一生懸命参加してくれました。生徒の成績をつける関係から授業は指導教官の先生と同様の流れを引き継いで行いました。Lesson内の各パートを2時間で行い、1時間目は予習テストの実施とその答え合わせを50分かけて行いました。この予習テストの結果が成績に含まれることもあり、生徒たちは真剣に取り組んでいました。2時間目は、本文理解の問題と新出単語の確認、音読を行っていました。英語が苦手、または嫌いという生徒が多く、英語を発話することに抵抗をもっているようでした。

1 授業実習
私が授業を実際に行った中で特に難しいと感じたことが、3つあります。一つ目が予習テストの答え合わせでした。予習テストは本文の内容に関する問題と発音、並べ替えがありました。発音問題は発音記号を書いた画用紙を事前に用意し、説明しながら発音の練習を行い、本文の内容も別に用意したプリントを使用したことで、生徒たちにもわかったという反応がありました。しかし、並べ替えの問題の説明は難しかったです。指導教官の先生から生徒たちは並べ替えの問題が苦手だと事前に伺っていたこともあり、わかりやすく説明しようと心がけていました。まず私が説明する前に何名かの生徒を指名して、相談しながら黒板で並べ替えをやってもらいました。生徒を指名することで、他の生徒もその答えに注目するようになりました。しかし、その後の私の一方的な説明が長々となってしまいました。あれもこれも説明しようとしてしまい、生徒がポカンとしていることが何度もありました。多くのことをだらだらと説明するよりも50分の授業の中で、教えたいことのポイントを絞って説明しなければいけないと思いました。

ふたつ目は生徒が黒板に書いた英作文をその場で添削することでした。生徒が書く英作文について、スペルのミスなどに気付くことができても、冠詞などを見落とすことが多く、指導教官の先生に言われて気づくことが多々ありました。また、英作文に関して指導教官の先生に「英作文は答えが一つではないのだから、なるべく生徒の回答を生かしてあげなさい」と言われていました。しかし、なかなか生徒の回答を生かすことができず、自分の回答にこだわってしまったと思います。生徒の回答を生かして添削を行うには、自分自身の英語力をもっと磨く必要があると実感しました。

3つ目は、授業のリズムと雰囲気でした。3週間の実習を通して、常に指導教官の先生に注意されていました。文法の説明は日本語でしていましたが、生徒に指示を出すときは英語で言うことを心がけていました。しかし、そのあとすぐに日本語で言い直してしまうため、そこでリズムが止まってしまうと毎回注意されました。それだけではなく、授業の流れを把握していないため、自分のメモを確認することがあり、そこでもリズムが止まってしまうと注意されました。テンポよく授業を行わないと生徒たちの集中力もそこで切れてしまうから、テンポを意識しながら授業をしなさいと言われました。また、雰囲気という点では、なかなか明るい雰囲気をつくることができませんでした。生徒たちが英語を話す機会をつくろうと導入部分で短い会話を入れましたが、なかなか発展させることができずに終わってしまいました。実習中では一度だけ、導入でうまく生徒を引き付けることができ、そのあとの授業も良い雰囲気で行うことができました。しかし、それ以外では最後まで改善することができなかったように思います。最初の導入で生徒の注目を引き付け、それからテンポよく授業を進めていくことが必要だということを実感しました。

授業の中では、なるべく生徒が発話したり、活動したりする時間を増やそうと常に心がけていました。「児童労働」について扱った日は、児童労働に対してどのように考えるかを紙に書いてもらい、何人かに発表してもらいました。初めのうちは英語で発表することに生徒たちも慣れていなかったこともあり、戸惑っていました。しかし、いきなり発表させるのではなく、書くことで考えをまとめさせたり、ペアで話をさせたりすることで、生徒も発表しやすくなるのだと思いました。

2 研究授業
研究授業は実習の最終日に行いました。指導教官の先生に、「うまくやろうとすると失敗するから、いつも通りやりなさい」と言われていたので、「いつも通り」を意識して行いました。しかし、私以上に生徒が張り切って授業に参加してくれました。そのおかげで指導教官の先生からいままでの授業の中で一番良い授業になった、と言っていただきました。同時に、生徒に助けられている授業では、本当に教員になり1年間通して授業を行う時に困るとも注意されました。また、研究授業後の講評会で英語科の先生方に英語で指示を出した後に、日本語で言い直してしまうと、生徒は、「どうせあとで日本語の指示も出るから英語の指示は聞かなくていいや」と考えるようになるよと言われました。生徒に伝えるために日本語で言い直していましたが、このコメントを先生からいただき、日本語言い直すのではなく簡単な英語に言い直すことが重要なのだと思いました。そして、授業の中で、自分では気づかない文法や発音のミスをしていたこともあり、課題が残る研究授業になりました。

3 3週間の実習を終えて
私が実習中に行ってよかったと思ったことは、毎時間の授業の最後に生徒にコメントを書いてもらったことでした。毎日授業があるので、3クラスの生徒全員にコメントを返すのは本当に大変でしたが、生徒たちの授業に対するコメントを見て、次の時間の授業を考えることができました。また、そのコメントをやり取りすることで、生徒との距離が近くなったように思います。英語のことだけでなく、生徒とコミュニケーションをとるきっかけになりました。
実際に教育実習を行い、正直大変なこと、つらいことがたくさんありました。しかし、先生方のご指導・生徒たちの協力・実習仲間の励ましがあり、無事に実習を終えることができました。至らぬ授業にも関わらず、真剣に授業に参加し、笑顔で話しかけてくれた生徒には本当に感謝しています。こうすればよかった、と後悔する部分もたくさんありますが、充実した教育実習だったと思います。今後はこの3週間で見つかった課題に取り組みながら、教員という目標に向けて勉強していきたいと思います。(Nao)