常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

教育実習報告#5

5月27日〜6月14日の3週間、神奈川県にある母校の高等学校にて教育実習をさせていただきました。2年生の英語Iの授業を担当させていただきました。

<授業実習及び研究授業>

 まず、授業実習を振り返る。授業実習では、実際の英語教育の現場を学ぶことができた。最初の週が中間テストの期間と少し重なっていたため、見学実習をすることがほとんどできなかった。そのため、最初の方の授業実習は良い授業をすることができなかった。実習先での授業は全ての授業がオールイングリッシュというわけではなかった。若い英語の教員の方々は発問や指示だしなどの部分で、英語を使用していたが、年配の英語の教員の方々は英語を日本語だけで説明していた。私の指導教諭は後者の教員であった。なので、研究授業を含めた大半の授業を指導教諭に近いやり方で行うことにした。その理由としては生徒がオールイングリッシュに全く慣れていないのに、オールイングリッシュの授業を展開するのは生徒にとって相当な負荷であるのではないだろうかと考えたためである。

 私の考え方は研究授業の後に変わることになる。研究授業後に授業を拝見してくださった教員の方々にお話を聞きに行った。英語の教員の方々や他教科の教員の方々からはいろいろと参考になるお話を聞かせていただくことができた。この時に、校長先生ともお話をさせていただくことができた。そこで指摘されたことは高等学校の英語はオールイングリッシュなので、教員採用試験を受ける時には英語でやらなければいけませんよという内容であった。それに対して、自分はオールイングリッシュを授業でするために準備してきたけれども、指導教諭の授業に慣れている生徒たちにとっては厳しいのではないでしょうかと伝えた。すると、ではやってみなさいという風に校長先生に言われた。結果として、最後の週のいくつかの授業で、自分なりのオールイングリッシュの授業を行うことができた。忙しい時間を割いて、校長先生と1人の英語教員の先生がオールイングリッシュの授業を見てくださった。その感想としては私が行った授業を教員採用試験や実際の英語の授業で行えば、よいということであった。反省点としては単語や熟語を事前に宿題として調べさせておけば、本文に入りやすかったという点である。

<学級・ホームルーム指導>

 担当となった学年は2年生であった。全体的に授業の最中には静かで、行事や部活の話になると元気になるメリハリのある学年であった。ホームルームの担当は2年3組であった。このクラスは全体として、元気であった。態度が少し悪い生徒もいたが、指摘をすれば、すぐに直してくれた。今回の機会で、学ぶことができたのは生徒に指示をすることの重要性であった。まず、ホームルームは短い時間なので、的確に素早く情報を生徒に伝える必要があった。生徒に注目してもらうためにはその事柄に関して、注意をさせる工夫をすることも重要であった。結果として、生徒から寺田先生と呼んでもらうことができた。

<学校行事、部活動、校務分担など>

 学校行事や部活動に関しても書いておきたい。学校行事としては芸術鑑賞が実習期間中にあった。そこでは、生徒が安全に最寄り駅に行くために交通整備を1人の教員の方とさせていただいた。また、保護者の方への進路説明会の準備として、椅子の準備などの手伝いをさせていただいた。部活動に関しては指導教諭からあまり見に行かなくてもよいと言われたが、せっかくの機会であったので、行くことにした。生徒の視点から見た部活と教員の視点から見た部活動が違うということを学んだ。

<その他教員の仕事全体に関して>

 教員の方々の仕事は単に授業をするというものでない。教科書の選定、学校行事の準備や教科ごとの会議といった多くの仕事があるようであった。さらに、各々の教員が理想とする教育を持っており、時にはぶつかり合うことがあるということも学ぶことができた。ただし、それは生徒のためを考えているために起こることであるので、仕方がない部分がある。また、教員は体力が必要であるということも感じた。

<3週間を通して>

 教育実習に行く前には不安の部分が大きかった。なぜなら、未熟な自分が高校生に対して、英語を教えるためであった。個人的な思いとして、ハーバード大学マイケル・サンデル教授のように興味深いディスカッションを伴った授業を展開したいという気持ちがあった。研究授業まではそういった授業をする心の余裕がなかったのかもしれない。だが、教育実習の最後の方のオールイングリッシュの授業では自分が展開したかった授業の形のようなものができた。その方法としては教科書の内容に関連した質問を口頭で全体に投げかけ、黒板にその質問を板書した。それから、生徒が英語でディスカッションをすることに慣れていないようであったため、2人の生徒を当てるようにした。すると、生徒が教科書の内容ではなく、自らの意見を答えてくれた。個人的にはこれが最初の段階として、必要なことであるように感じた。生徒の中には教科書から私の発問の答えを見つけようとしている者のいた。個人的に必要であると感じたことは聞かれた質問に対して、自分の意見を考えることにまずは慣れさせることである。それから、英語で行う短いディスカッションを生徒にさせる段階となるように感じた。教育実習先ではほぼ全ての英語の教員の方々と話すことができた。改めて、自分が英語の教員になりたいと思わさせていただけた教育実習であった。(pantomime)