常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

talismatic

先ほどと同じ記事から英語表現を拾います。when chips are down - 田邉祐司ゼミ 常時英心:言葉の森から

That special relationship - America and the second world war
WHEN “the chips are down”, David Cameron declared on a visit to Washington last year, Britain and America know that they can always count on each other. Standing beside Barack Obama on a sun-drenched White House lawn, Britain’s prime minister invoked the memory of their respective grandfathers, serving in the same campaign to drive Hitler’s forces from France. The message was clear. Seven decades on, when the British need to claim a special relationship with America, nothing approaches the second world war’s talismanic power.

赤字のtalismanicという単語に注目します。こちらは『リーダーズ英和辞典』によると「お守り、護符、魔除け(福を招き厄を払う符合を刻んだ石・指輪など;作った時に優勢であった天体の影響による効験を有するとされる;不思議な力のあるもの、お守りみたいなもの)」とあります。つまり、記事では「核保有国もしくは勝戦アメリカが他の国々から護られる目に見えない力」と捉えることができます。つまり、「戦後70年において、英国が米国に[開戦した時にお互いを守るような]特別な関係を要求しても、何事もあの眼に見えない不思議な力には匹敵することはない」となります。

それでもやはり気になるのは、語源。Oxford English Dictionaryで調べてみると名詞形のtalismanは、17世紀にフランス、スペイン、ポルトガル語のtalisman、イタリア語のtalismanoから英語になり、元はアラブ語のtilsma、ギリシャ語のτέλεσμαから来た言葉であることがわかりました。英語における初出は1638年で、エジプト、ギリシャを神格化した時の文章であるとされています。(Othello)