常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

奥原先生最終講義 # 4

アイルランドの文学は、今まであまり読んできませんでした。読んだのもワイルドやショー、さらにはスウィフトなどです。しかし、アイルランド文学を語る上で外せないジョイスに関しては、学部時代にDublinersですら挫折してしまい、いつか読もう読もうと思っていました。今回、奥原先生の最終講義に出席をさせて頂き、一層「ジョイスを読む」という気持ちが強くなりました。

そのような気持が強まったのは、先生が「生まれて初めてジョイスについて講義をする」という言葉があったからです。きっと一年の講義の数回では語り尽くせないのでしょう。それ程、ご専門であるジョイスの事を深く愛していらっしゃるのです。先生のまろやかで優しいお声で語りかけるような講義の節々からジョイスへの愛情が感じられました。そのようなことを感じたからこそ、先生が愛した文学について、もう一度挑戦してみたいと思うのです。

先生と、4号館で3限の授業の前に音楽などのお話をする時や、ご一緒にステージに立たせていただき演奏をしたことなどは、今では本当に良い思い出です。もうそんな時間が来ないと思うと、なんだか寂しくなってしまいます。

これからご勇退されてからも、先生のアイルランド文学への愛がますます深まることを心からお祈りしております。私は先生には一生追いつくことはできないでしょう。それでも、先生が示して下さった道を少しでも歩けるよう、努力をしてまいりたいと思います。奥原先生、ありがとうございました。(Othello)