常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

ご指名質問:come

ご指名質問にお応え致します。お題はこのcomeをどうやって生徒に教えるか、です。

Lilies have so far only come in white, yellow, orange and pink, as they lack the genes required to produce blue petals.

このcomeは自動詞で、come inのかたちで“to be produced or sold with particular features”という意味になります(LDOCE)。たとえば次のような形で使われます。

Cats come in many shapes and sizes.
The particular sofa comes in four different colours.

「これまでユリは白、黄、橙、そしてピンク色(の品種)しか作り出せなかった。この花には青い花弁を作り出す遺伝子がなかったからだ。」となりますね。

今回は「〜になる」というところに注目してみましょう。さきほどと同じような用法でgo + O,およびcome + Oがあります。たとえばdreams come trueやHe goes insane.などです。

まずcomeから。こちらのcomeは、「〈状態・結果などに〉至る、達する;〈ある状態に〉なる、変わる、始める」という意味です。すなわちbecome, turn out, arriveと同じ意味合いです。

一方go + Oでも「・・・の状態になる」という意味があります。それでは、comeとgo、この2つの違いとは何でしょうか。

ずばり、comeは良い意味で使われ、goは悪い意味で使われますね。まずgoは、皆さんが習ったように、主語がいる場所から離れて他の場所へ行くこと指します。つまり、本来の自分から逸脱することを意味しています(C.f. go insane, go nuts, go crazy…)。一方comeは主語が聞き手や話し手などに接近することを表します (C.f. dreams come true, Peter Frampton comes alive…)。

それでは、もう一度dreams come trueとhe goes insaneを見てみましょう。やはりinsaneは常軌を逸した結果ですのでgoなのですね。

という具合にまずはgoとcomeの違いを明確にし、詳しい説明をしていきます。この後に、自分が拾った英文や、問題集などで知識を定着させようと思います。これらのようなgoとcomeの違いは以外にわからない人がいますので慎重に指導したいと思います。(Othello)