常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

新刊書の紹介

                


朝日新聞 Asahi Weekly 編集チーム(編)『英語では「ホニャララ」と言います。Say it Right 学校では教えてくれない普段使いの英語』(朝日新聞出版、1200円)をお奨めします。

本書は、「Asahi Weekly」紙上で5年間続いている大人気の連載「Say It Right!」をまとめたものです。身の周りのことから外に向かって広がっていく8章のトピックごとに「普段使いの英語」がふんだんに紹介されています。

取り上げられた表現をアット ランダムに、10コほど拾ってみますと:

  「カジュアルな服装をする」「寝ぐせ」「かさをさす」
  「おむつがとれた子」「つまみ食いをする」
  「(携帯電話)でメールを打つ」「アクをとる」
  「たき火をする」「犬のフンの後始末をする」
  「耳が遠くなる」「突き指する」

などなど、まさに普段使いの表現ばかりです(どれだけ相当する英語のホニャララを即座に言うことができましたか。答えは本書へ!)。 

本書が秀逸なのはこうした表現を単に「リスト化」するだけではなく、inputを促進するための効果的なイラストが盛り込まれていること、正確な例文がそえられていること、さらには解説がto-the-pointであることでしょう。

また、受験生にはおなじみの赤いシートで各表現の赤字箇所を隠しながら学習を進めることができる点、さらに各章ごとに「小テスト」が設けられ、「ふりかえり学習」をクイズ感覚で行える点もいいですね。coffee breakとして添えられたコラム欄で、例えば、Click it or ticketなど米国生活の中でふれることの多い表現がさりげなく紹介されている点にも好感が持てました。

つまり本書は購入後の学習プロセスのケアまでその射程に入れた普段使い英語のリスト本なのです。『これを英語でなんと言うか? デラックス』が絶版となった今、来年度のクラスでは重宝しそうです。

プロの編集者のあたたかいまなざしが感じられる一品、みなさまも生徒ともども、どうぞご賞味ください。(UG)