常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

nibble(回答)

田邉先生の記事について,僭越ながらコメントを書かせていただきます。今回記事で取り上げられていたのは“nibble at the corners”の意味についてです。
今回の場合,解釈は先生のおっしゃる通り「コーナーを“なめる”ような投球」と取ることができると思われます。「なめる」という意味が説明しづらいのですが,「(ボールになっても良いくらいの気持ちで)コーナーギリギリをきわどく攻める投球」のことを表す野球俗語のようなものでしょうか。
日米の野球スタイル,考え方には異なる点が多々ありますが,特に投手,投球に関する考え方には違いが顕著に現れます。例えば,3ボールと後がない状況で日米の野球を比較すると,「フォアボールを与えるなら打たれた方がマシ!ど真ん中で勝負!」的感覚の大リーグと「コーナーを際どく攻めて打ち取ることが優先!見送られてフォアボールなら仕方ない。」という感覚の日本のプロ野球には大きな違いがあります。こうした考え方の違いもあり,現在のダルビッシュ投手の投球スタイルをnibble at the corners「コーナーをチマチマと攻める」という表現で描写しているのではないかと思います。(GP)