常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

awash with, shades of and pillar box

ニューヨークで開催されている2012年の秋冬のコレクションの記事The Independentにありました。本文の冒頭を訳してみて、それから英語表現を拾います。

Seven days of chic in New York

Kicking off the autumn/winter 2012 show schedule in suitably bold fashion, the New York collections were awash with shades of red, from pillar-box to oxblood

「ついに始まった2012年のニューヨーク・コレクションでは大胆という言葉に相応しいファッションが扱われる予定だ。会場では、郵便ポストから農高なオックスブラッドを彷彿させる赤い色でいっぱいになる」

最初に赤字で示したawash withが気になりました。このawashは(記憶が正しければ)、イタリアの豪華客船の座礁事故の記事で“covered with water or another liquid”という意味合いで使われていたように思います。しかし、ここではそのような意味ではなく、LDOCE 4th Eds.の第2義にあるように“containing too many things or people of a particular kind”という意味で使われています。辞書の定義内の、後半部分に注目するとグッとわかりやすくなります。

続いて、音楽好きとしてshades ofという言葉に敏感ならなくてはなりません。このshades ofは“used to say that someone or something reminds you of another person or thing”という意味があります。おそらく本文では、“a particular type of red, green, blue etc”という意味合いも持たせています。また、Simon & GarfunkelのA Hazy Shade of Winterや、それを捩ったPublic EnemyのA Hazy Shade of CriminalProcol HarumのA Whiter Shade of PaleMadlibの名盤にはShades of Blueというブルーノートのリミックスアルバムがあります。いろいろな音楽や芸術作品で使われている表現ですので、結構身近な表現だと思います。

さて、最後にあまり聞きなれないpillar-boxについてです。これは、イングランドの「郵便ポスト」のことを言います。円柱の形(pillar)をしているので、この名前が付きました。Oxford Guide to British and American Cultureを見てみると“(BrE) a tall iron box in the shape of a pillar for posting letters, etc. Pillar boxes stand in the street and are painted bright red”とあります。画像を見てみても鮮やかな色をしています。最後にpillar-boxとoxbloodの参考画像を載せます。(Othello)