常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

sound the death knell for [Othelloの拾った英語表現5]

さて,シリーズも最後になります。最後に英語表現を拾って終えたいと思います。

Record Collector is their monthly magazine of choice, and its Rare Record Price Guide editor Ian Shirley, a man who spends his life writing about and visiting them (he has just returned from one in Utrecht), suggests it would be wrong to sound their death knell just yet.
(中略)
"First and foremost, they are social events, a chance to meet fellow collectors and obsessives," says Ian Shirley. "You don't get that online, not properly, and so I don't think fairs will ever fully die out. I certainly hope they won't. Too many things die out these days."
http://www.independent.co.uk/arts-entertainment/music/features/vinyl-destination-6284125.html

さて最後の箇所です。レコード雑誌の編者のイアンさんは,レコード屋やレコードフェアについて,どんな意見を言っているでしょうか。ここで注目するのがdeath knellです。『ジーニアス英和辞典』ですと「終末の前兆」という訳語が与えられています。名詞knellは「鐘の音;弔いの鐘」という意味がありますが,ここではむしろ「前兆,予兆」という意味で用いられています。ちょうど,death knellの例文に“sound the death knell for …(・・・の終末を告げる)”という説明がありました。ここの文にぴったりです。これを踏まえると「レコードというものに,終わりの鐘が鳴るのも,まだまだだ。」ということになります。

以上で,ひとつの記事にあった気になる表現を拾いきりました。長くなってしまい申し訳ございません。最後にもうひとつだけ自分の意見を言いますと,レコードは一生無くならないでしょう。わたしはレコード・コレクターではなく,あくまで音楽のリスナーなので,どんな形であれ,ジャケット,インナー・ジャケット,音楽を合わせた総合的な芸術として音楽を楽しんでいます。しかしレコードという形でしか流通していないまだ見ぬ素晴らしい作品もあるのです。だから,レコードを掘っているのです。そんな作品がある限り,レコードはなくならないと思っています。(Othello)