常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

2011年度通訳コンテストを終えて(pear)

12日(土)に通訳コンテストが行われました。私は2年生の時に通訳コンテストで先輩方のパフォーマンスを拝見させていただいき田邉ゼミに興味を持ちました。それから早いもので2年が経ち,この度通訳コンテストを終えることができ感慨深いものがあります。

振り返ると様々なことが浮かび上がりますが,ここでは「プレッシャーや緊張が及ぼす訳出への影響」と「話の筋をつかむこととそのための思考力」という二つの大きな課題を取り上げたいと思います。

まず,プレッシャーに関してです。私は順番が8番目で最後であったため,自分の番までの話の展開をおさえよう,上手く訳せるよう頭をならしていこうと努めました。他のcontestantの番に「ここはこう言ったほうがわかりやすいのでは」,「自分だったらこう言いたい」等を常に考えながら聞き,英語や日本語がスムーズに出てきました。しかし,いざ自分の番になってみると拙い表現しか出てこず,また情報は聞いているのに訳出で取りこぼしてしまった箇所が多々ありました。実際に私の通訳をレコーダーで聞いてみると,英日では情報の取りこぼし,日英では上手い表現で訳出できていないといった点に気付きました。やはり一聴衆として聞いているときと大勢の方の前で自分で訳を産出するときでは,緊張の度合いがはるかに異なるのだと痛感しました。

次に,話の筋をつかむことに関してです。これは閉会式での講評でMr.R.Cと田邉先生がおっしゃっていました。Mr.R.Cは「部分的に行った訳をつなげていくのではなく,意味のまとまりを意識して聞き取り,その意味のまとまり全体で訳すことが大切だ」と,田邉先生は「話者が何を話しているのか(伝えようとしているのか),内容の根底をつかむことが必要だ」とそれぞれ指摘して下さりました。私の場合,この課題は言語能力不足に起因していると自分なりに考えました。英日では,リスニング力が不十分で聞き洩らすことのないよう必死で単語ばかりを追いかけてしまい,全体としての意味にあまり注意を払えていませんでした。また,日英ではあまりなじみのない言葉が出てくると動揺してしまい,話の要点を十分に思考できていませんでした。ボキャブラリーと訳出の瞬発力不足を感じました。英語と日本語の両方で,通訳では言葉の力が「総合的に試される」ということを身を持って知りました。

このように課題は挙げたらきりがないですが,今回2位を受賞することができとても嬉しいです。通訳コンテストの経験を忘れず,これからも英語学習に励んでいきたいと思います。

素晴らしい講演をして下さったMr.R.C,坂本先生,審査をして下さった横瀬先生,小林先生,UG先生,コンテストを支えて下さったSugiuchiさん,GPさん,他ゼミの皆さん,お忙しい中お越しくださった方々皆様に厚くお礼申し上げます。
共学して高め合ってきたゼミ生のみんな,ありがとう。(ゼミ生 pear