常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

star-crossed lovers

ジェームズ・キャメロン監督の大ヒット作『タイタニック』の3Dバージョンが、2012年4月に世界同時公開されることが正式に発表されました。それに関する記事より表現を拾います(JAPAN TODAY 30/10/2011付け) 。

Cameron unveils scenes from 'Titanic' in 3D

“Titanic”—which starred Leonardo DiCaprio and Kate Winslet as star-crossed lovers aboard the ill-fated passenger steamship that struck an iceberg in the North Atlantic and sank in 1912—was first released in 1997.

http://www.japantoday.com/category/entertainment/view/cameron-unveils-scenes-from-titanic-in-3d

今回注目したのはstar-crossedです。辞書で確認してみると,crossedには「横線を引いた」「(計画などが)邪魔された」という意味があり,star-crossedで「星回りの悪い」「不運な」という意味であることが分かりました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。

また,この表現はシェイクスピアの「ロミオとジュリエット」に由来する表現(star-crossed lovers)だそうです。1度は交差しても,すれ違いになる,つまり永遠に同じ方向は向かない(永遠に結ばれることはない)ことを伝えている言葉です(補足説明あればよろしくお願いします)。タイタニックでも同様に,立場の違う男女から生まれた愛の話であるため,2人はstar-crossed loversであると言えます。

ここでは,船が沈没してしまうという大きな事件に巻き込まれた「幸薄な恋人,不運な恋人」と訳せます。タイタニック3Dバージョンの公開が楽しみです。(ゼミ生 カメ女)