常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

catch-as-catch-can

睡眠をとることは健康的に過ごすために重要な要素であることは言うまでもありません。今回は睡眠に関する記事から英語表現を拾います。以下は記事の一部引用です。

The implications of these studies are straightforward. Learning how to sleep is a skill people need to acquire when young. Sleep should be made a serious priority, not just catch-as-catch-can. Teachers at high schools and cram schools should educate students in the importance of getting enough sleep on a regular schedule. Students, as well as workers, should stop stressful activities in time to relax before trying to go to sleep. Workers need to avoid excessive overtime and reduce the stress from work with relaxing activities before going to bed.(JT online 10/30/11付け)

http://www.japantimes.co.jp/text/ed20111030a1.html

今回採りあげるのはcatch-as-catch-canです。辞書によると,「手段を選ばない[選んでいられない],手当たり次第の[に],計画性のない,行き当たりばったりの[に],その日暮らしの[に]」とありました(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。したがって,睡眠は何よりも優先するべき事であり,「適当にとるべきものではない」と記事で述べていることがわかります。

ではなぜcatch-as-catch-canが使われたのでしょうか。辞書にはcatch-as-catch-canは「レスリング」関連の言葉とあり,関連性がないように思われます。そこで,その答えとしてcatchとsleepが共起するからではないかと考えました。辞書によると,catchには「<休息など>を(急いで・少しの間)確保する」とあり,catch some sleepで「ひと眠りする」とあります(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。したがって今回の記事ではcatch-as-catch-canが使われたのではないかと考えられます。つまり,今回のcatch-as-catch-canは「(睡眠を少しでも)とれるだけとる」と解釈できます。そうすると,「計画性のない」や「行き当たりばったりの」という意味で納得がいきます。(ゼミ生 Lbow−Shoulder)