常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

nectar

本日の「英米文学特殊講義I」の講義中に習った文学作品から,興味深かった単語の落穂拾いをします。
早速ですが,「ネクター」と聞くと何を思い浮かべますでしょうか私は,株式会社「不二家」の果汁飲料を思い浮かべました。この果汁飲料のパッケージには,桃が描かれていることからネクターは桃を意味する単語であると思っていました。しかし,今日の講義でこの単語が出てきたのはホメーロスの『オデュッセイア』での第1歌であり,この前8世紀の作品に不二家の製品が登場することはまず考えられません。
そのため辞書で確認するとnectar「<ギリシア神話ローマ神話>ネクタル《神々の飲む不老長寿の酒》」とありました(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。この単語はギリシア語で「神々の酒,ワイン」を意味するnektarから来ており,他にも「(絞ったままの)果汁,{おどけて}おいしい飲み物,《主に米》ミックスジュース」とありました(『ジーニアス英和辞典』同上)。これを踏まえて不二家ネクターをみてみると,「ミックスジュース」の意味で使われていることがわかります。これからも身近なものから単語を拾っていこうと思いました。(ゼミ生 Temple)

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