常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

nom de guerre

オサマ・ビンラディン殺害に関するニュースから英語表現を拾います。以下はguardian.co.uk (05/03/11付け)の記事の一部引用です。

The Americans had been led there by one of Osama bin Laden's most trusted men: a courier, first identified by detainees at Guantánamo Bay through his nom de guerre. He was said to be protege of Khalid Sheikh Mohammed, alleged architect of the 9/11 attack. The Americans discovered his name four years ago, and discovered that he lived in the Abbottabad region with his brother two years ago.

http://www.guardian.co.uk/world/2011/may/02/osama-bin-laden-killed-abbottabad-raid

注目したいのは,nom de guerreです。この単語は綴りから判断して外来語であるとわかります。ではnom de guerreにはどのような意味があるのでしょうか。辞書には「仮名,変名」とありました(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。また英辞郎on the webでも調べてみると,「〈フランス語〉仮名、偽名、筆名」とありました。
次にnom de guerreを一つずつ分解して調べてみます。nomは「名前」,deは「…の(of),…から(from)」とありました(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。最後にguerreですが,guerre a outranceで「徹底的にやり抜く戦い,死闘」とありました(『ジーニアス英和辞典』同上)。またavant-guerreで「世界大戦前の」,c'est la guerreで「<フランス語>戦争とはそんなものだ」とありました(英辞郎on the Web)。これらのことからguerreは「闘い,戦争」という意味であることが推測されます。さらに英辞郎on the Webにはnom de guerreについて「◆【語源】name of warの意味で、もともとは戦時中に使った偽名から」とありました。
フランス語由来の単語はたくさんあり,今回のdeとnomのように少しずつフランス語由来の単語覚えるだけでも次回出会ったときに役に立ちそうですね。(ゼミ生 Temple)