常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

airtightとbone of contention

小沢一郎民主党元代表資金管理団体陸山会」を巡り,政治資金規正法違反罪に問われた衆院議員,石川知裕被告ら元秘書3人の初公判が開かれました。今日のDY(02/09/11)にあった記事から英語表現を拾います。
Neither case is airtight in Ozawa aides' trial
In the trial of three former aides to former Democratic Party of Japan leader Ichiro Ozawa, both the prosecution and the defense have to clear up contradictions and overcome significant weak points to establish their cases.(中略)The bone of contention is a 400 million yen loan from Ozawa that was listed in the revenue column of the 2004 report of his political funds management body, Rikuzan-kai. Prosecutors insist this money was "a bank loan borrowed in Ozawa's name to buy a piece of land" in Tokyo. The defense, on the other hand, maintains the 400 million yen was correctly recorded as being lent from Ozawa.
http://www.yomiuri.co.jp/dy/national/T110208005241.htm
今回は見出しのairtightと文中のbone of contentionを採り上げます。まず,見出しのairtightですが,これは「空気を通さない」という意味の単語です(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。そこから転じて,空気を通すことのないくらい「完ぺきな」という意味があります(同上)。同辞書にはan airtight alibi(完全なアリバイ)が例として挙げられています。今回のNeither case is airtightは,弁護側と検察側で見解が割れているのを受け,「どちらの証言も完璧とは言い難い」という意味で使われています。
続いてbone of contentionという表現です。boneには「骨」という意味の他に「争いの種[原因]」という意味があり,辞書にはbone of contentionの形で「論争の種, 争点」とありました。contentionは「争い」という意味ですが,ではなぜ「種」がboneなのでしょうか。はじめはboneの「(計画構想などの)枠組み, 要点」という意味に由来するのではないかと思ったのですが,『研究社 新英和中辞典』(研究社)を引いてみたところ,由来の欄に「犬が 1 本の骨を取り合って争うことから」とありました。もともとは犬同士の争いが由来だったのですね。(院生 小山本)