常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

腱鞘炎

昨日(11/30/10)のこと,どういう流れかは忘れましたが,A30研究室では,「腱鞘炎」を英語で何というかが話題になりました。その時,和英辞書で調べるとtenosynovitis「腱鞘炎」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)が出てきましたが,他にも言い方があると田邉先生はおっしゃっていました。先生からのヒントはcarpaccio(カルパッチョ)です。
帰宅後調べてみると,『プログレッシブ英和中辞典』(同上)でcarpal tunnel syndrome「(手指の痛む)手根管症候群(略:CTS)」を発見。ヒントからおそらくこれが答えだろうと判断しました。carpalは解剖学の言葉で「手根(しゅこん)(骨)の」という意味です。その名詞形は,ギリシャ語でwristを意味するcarpus(手首)です(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)。
このcarpusを聞いたときに思い浮かんだのは carpe diem。これも以前,田邉先生が教えてくださった表現で,英語のseize the day(今を生きる)のもとになったラテン語です。これはしっかりと調べたわけではなく類推ですが,carpeがseizeだとすると,このcarp-というのはどうやら「手」に関係するのではないでしょうか。(院生 小山本)