常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

dry up

先日,ハリーポッターの最終章パートワン「死の秘宝」が公開されました。それに触発され,現在ハリーポッターの第1章「賢者の石」を観直しています。そこで見つけた英語表現をご紹介いたします。
ハリーのおじさんダーズリーは,ハリーをホグワーツに行かせないために誰も行けないような孤島に身をひそめていました。そこに登場したのがハグリット。彼はホグワーツの鍵番でハリーを迎えに来たのです。しかし,ダーズリーは銃で応戦しようとします。ここで,ハグリットが一言。
Dry up Dursely, you great prune.”
dry upとは「干からびる」という意味ですが,ここでは違う意味で使われています。dry upには口語で「言葉につまる,セリフを忘れて黙る」や,しばしば命令形で「黙る」という意味があります(『オーレックス英和辞典』旺文社)。
さらに後ろに続くpruneは果物の「プルーン」の他に,口語で「嫌な奴,間抜け」という語義があります(『オーレックス英和辞典』同上)。ここでは,二つの表現が上手く掛けられています。プルーン(prune)は干からびています(dry up)からね。
以上の点を踏まえますと,上のセリフは「引っこんでろ,ダーズリー。」のように訳せるのではないかと考えられます。
最近,あまりいいニュースが報道されていませんが,魔法の力で世界を元気にしてほしいですね。(ゼミ生 persimmon柿生)