常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

秋の散策(pear編)

先日生田緑地で散策をしていると,すでに葉を落とした木と紅葉で色づいている木の両方がありました。

そこで,「枯れ木」と「紅葉で色づいた木」に関する表現を採りあげたいと思います。
まず「枯れ木」についてです。『ジーニアス和英辞典』(大修館書店)にはdead tree,『プログレッシブ和英中辞典』(第3版,小学館)にはこれ以外にbare treeも載っていました。bareは『OXFORD現代英英辞典』(第6版,Oxford University Press)に(of trees or countryside) not covered with leaves; without plants or treesと説明がされているので,葉が落ちてしまったことをより強調するものだと分かります。また,枯れ木と聞くと「枯れ木も山のにぎわい」ということわざが連想されたので,それも調べてみるとSomething is better than nothing.とありました(『ジーニアス和英辞典』同上)。もともとは「枯れ木も山の風致を添えるものである」の意ですが,転じて,つまらない物も数に加えておけばないよりはましであることを例えでもあります(『広辞苑』第5版,岩波書店)。
次に「紅葉で色づいた木」についてですが,表現の仕方は様々だと思います。私はablazeという語が適切であると思います。ablazeはfull of bright colours or lightと説明され,例文としてThe trees were ablaze with the colour of autumn.が載っていましたので,今回はこの表現を使って「秋に紅葉で色づく木々」といえます(『OXFORD現代英英辞典』同上)。ablazeから葉の色の鮮やかさが浮かび上がってきますね。
もうだいぶ寒くなってきましたが,このような秋の自然の美しさをまだまだ感じていたいなと思いました。 (ゼミ生 pear