常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

go bananas

現在の英語教育界が抱えている大きな問題の一つに,小学校英語教育があります。この早期英語教育に欠かせないのが,文部科学省から配布される「英語ノート」です。最近は,こちらの方も少しずつ勉強しています。ある日,英語ノートを何気なく見ていると,ノートに書いてあるバナナに目が止まりました。もちろん,私はバナナが大好きです。しかし,理由はそれだけではなく,春先にカナダから来たある留学生の口癖を思い出したからです。
よく飲み会の前後に,
“Hi, Guys! Go bananas!”
初めて聞いた時は,頭の中は?だらけでした。のちのち辞書を引いてみると,口語で「頭がおかしくなる」や「怒り狂う」,「夢中になる」とあるではありませんか(『オーレックス英和辞典』旺文社)。彼は,「おい,みんな!はっちゃけようぜ!」と言っていたのですね。
さらにバナナを用いた表現で,slip on a banana skin「へまをやる,失態を演じる」や,banana republican「バナナ共和国」といって特に中南米の政治的に不安定な小国をけなす表現があります。以上から,バナナはおいしいのに英語ではあまりいいニュアンスを含んでいないと推測できますね。(ゼミ生 persimmon柿生)