常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

goose

今日のJT(11/10/11付け)のEDITORIALから英語表現を探します。記事のタイトルはGambit to rekindle U.S. economyで,記者は米国経済の活性化への方策を述べています。記事の中に以下のような記述がありました。
The GOP majority in the House of Representative will prevent the government from taking substantive action. Any hope for goosing the economy will have to come from the Federal Reserve.
今回着目する表現はgooseです。ガチョウに関する表現は以前Persimmon柿生が“lay goose egg”という記事で取り上げてくれていました(http://d.hatena.ne.jp/A30/20101013/1286974847)。しかし,今回のgooseはeconomyを修飾する現在分詞の形容詞的用法で用いられているので,原形はgooseという動詞ということになります。正直のところ,gooseが動詞的に使われているケースに遭遇したことがなかったので辞書で調べてみました。すると「《おもに米略式》(ふざけて)〈人の〉尻の間を指でつつく」という以外にも「〈物〉を速く動かす[始動させる](+along, up)」という意味がありました(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)。さらに別の辞書でも調べてみると「…に活を入れる;…を促進する, 大いに伸ばす⦅up⦆.」という文脈に則した定義を見つけることができました(『プログレッシブ英和辞典』小学館)。
景気の活性化といえばjump startやboostなどが思いつきますが,ガチョウ(goose)という動物を使っても表現できるとは知りませんでした。(ゼミ生 camel)