常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

boneheaded

National Public Radio(NPR)に面白い記事がありましたので紹介したいと思います。
記事は一部の日本企業が社内の公用語を英語にし始めているのを伝えています。社内公用語が英語になるのに対してHONDAの社長は
“It’s boneheaded.”
http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2010/10/21/130733615/japanese-companies-go-english-only-headaches-outrage-follow
とコメントしています。直訳すると「骨頭」ですがこれではよくわかりません。辞書を引いてみると「⦅俗語⦆愚かな頑固者, まぬけ, のろま;失策」と出ていました。(『プログレッシブ英和辞典』小学館)また田邉先生に教えていただいたことなのですがa boneheaded playで「〘野球〙ボーンヘッド」という意味があるようです。ボーンヘッドには「野球などで,判断を誤ったまずいプレー。▼まぬけ,へまの意」があります(『明鏡国語辞典』大修館書店)。しかし,元野球部部員であったgacha君はボーンヘッドを知らなかったのであまり幅広く使われる野球用語ではないと思われます。
この記事にはなぜか昔日本で作成されたとみられる古い英語番組がビデオクリップとして記事に添付されています。(http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2010/10/21/130733615/japanese-companies-go-english-only-headaches-outrage-follow
「私はひどい下痢です」と言いながらダンスをしている日本人女性の姿を見たらネイティブはお腹をおさえながら笑うでしょう。実際この記事のコメント欄にもそのようなコメントがありました。この記事にこのようなビデオが張り付けてあると英語授業の教室内,もしくは会社内でこのような会話が日常的に話されているという誤解を読者に与える可能性があるのではないでしょうか。ビデオの内容は二の次であって,記者には社内公用語英語化の背景や影響についてもっと焦点をあててほしかったなと思います。(ゼミ生 camel)